⌒*(・∀・)*⌒『別になんて言~わない~で~ 違うぅって言って~』⌒*(・ω・)*⌒
⌒*(・∀・)*⌒「言い訳なんか聞きたくないわ~胸が張り裂けそぉ~で~」
(;ФωФ)「ちょっと、ちょっと待って?!」
突如始まった二人のコンサートに、たまらずツッコむロマネスク。
ツッコまれた二人は、これ以上無い程に怪訝そうな表情を浮かべた。
⌒*(・3・)*⌒「もー! なんでいきなり止めるの?!」
⌒*(・3・)*⌒「私達のコンサートをタダで聴けるなんて、滅多にないんだよ?!」
(;ФωФ)「とりあえず突拍子がなさすぎである ていうか普段は金とってるのであるか?!
そしてその顔だとどっちがどっちだかわからないのである!」
まったくもって、その通りである。呆れ果てた表情でロマネスクはツッコんだ。
しかしこの二人が現れた時から、なんだかんだで上手く絡んでいるようにも見える。
破天荒さでは負けていないであろうヒートと、幼い頃から過ごしてきた賜だろうか。
とにもかくにも、この二人を止めない限り、話は一向に進まないだろう。
(´・ω・`)「二人とも、部屋に戻りなさい」
そんな空気を感じ取ったのか、見かねたショボンが、二人に席を外すよう促した。
父親の声に口を尖らせつつも、トコトコと現れた方へと歩いて行く。
すると曲がり角でまた、ひょこりと顔だけを覗かせて、
⌒*(・∀・)*⌒「三角関係……頑張ってね!」
⌒*(・ω・)*⌒「なるか?! まさかのハーレムエンド!」
(;ФωФ)「それはもういいのである!」
壁l⌒ サササッ
子供らしからぬ爆弾発言を残して、二人は今度こそ部屋へと戻っていった。
(;ФωФ)「……」
||‘‐‘;||レ「……」
ノハ*゚⊿゚)+「ハーレムエンドってなんだ?!」
(;ФωФ)「ヒートは知らなくていいのである! 忘れなさい!」
瞳を爛々と輝かせ、興味津々なフレーズについて力いっぱい聞いたヒートだったが、
同じように力いっぱい質問を却下されてしまった。
(´・ω・`)「いやいや、娘達が失礼した」
(;ФωФ)「んむぅ……まぁ、元気なことは良いことである」
(´・ω・`)「ははっ 確かに、子供も動物も元気なのが一番だ」
そう言ったショボンの言葉に、ロマネスクとカウガールははっとした。
彼女達に気を取られ、本来の目的を危うく忘れかけていたようだ。
( ФωФ)「そう、動物について、質問があるのである」
(´・ω・`)「あぁ 私を訪ねて来た時点で、それはわかっているさ」
しかしショボンは、身を翻し三人に背を向けた。
その際に、着ぐるみの尻尾がロマネスクのスネにバチコンとヒットしたが、
彼はまったく気づいていなかった。
(´・ω・`)「着くまでに質問だけでも聞いておこうと思ったが、客室はすぐそこでね。
お茶でも煎れて、そこで聞こうか」
顔だけ向けて(ヒート達には着ぐるみの顔しか見えていなかったが)そう言った。
勿論、ショボンも後ろは見えていない。
大きな尻尾をずるずると引き摺る音と。
スネを押さえてうずくまっていたロマネスクをヒートが引き摺る音。
||‘‐‘||レ(元気な人達……ね……)
そんな不思議な音を立てながら、四人は客室へと進んでいった。
※
(´・ω・`)「それじゃあ、用件を聞こうか」
部屋の中央のテーブルを囲むように配置された大きなソファーに座り、
お茶を煎れそれぞれの前に並べおいた後、ショボンが切り出した。
ちなみに勿論、恐竜の着ぐるみを着たままだ。
この上なく座りづらそうである。
ノハ;゚3゚)「あっつ!あっつ!」
_,
( ФωФ)「落ち着くのである……」
やっと本題に入れる所で、盛大に空気を破壊したヒート。
しょうがない、と、ロマネスクがヒートのお茶を手に取り、ふーふーした。
||‘ー‘||レ「ふふっ ……それでは、私から」
そんな二人のやりとりを見てクスリと笑った後に、カウガールが口を開く。
||‘‐‘||レ「ショボンさんは、“豚シンデルエンザ”をご存じですか?」
(´・ω・`)「あぁ、知っているよ」
||‘‐‘||レ「……実は私、豚シンデルエンザを治す方法を探しているんです」
(´・ω・`)「ほう」
||‘‐‘||レ「何か……知っていますか?」
(´・ω・`)「いや、私も名前と症状くらいしかわからないんだ すまない」
||‘‐‘||レ「そう……ですか……」
ショボンの返事に、がっくりと肩を落とし俯くカウガール。
ここでも収穫なしか、と、彼女が思った時に。
(´・ω・`)「……一つ、それについて考えていることがある」
||‘‐‘;||レ「──! か、考えって?!」
勢いよく顔を上げ、ショボンの顔を見た。
彼女にとっては藁にも縋る思いなのだろう。
その気迫に、ショボンが少し面食らったような顔をする。
||‘‐‘||レ「あ……すみません……」
(´・ω・`)「いや、大丈夫だ 君も動物を愛してるんだね」
||‘‐‘||レ「……トンキー達は……私達の家族同然ですから……」
(´・ω・`)「私にとっても、動物達は皆家族さ」
||‘ー‘||レ「……」
(´・ω・`)「で、私の考えについてだが」
||‘‐‘||レ「はい」
_,
ノパ⊿゚)っ旦「まだ熱い」
( ФωФ)「わかったから、空気を読め」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「豚シンデルエンザが確認される少し前、ある動物にも変化が起こった」
||‘‐‘||レ「ある動物?」
(´・ω・`)「あぁ 今まで、とても大人しかった動物達が、急に獰猛になったんだ」
( ФωФ)「──! まさかそれは、ビーグルであるか?!」
(´・ω・`)「ご名答 私はビーグル達に関係していると考えている」
||‘‐‘;||レ「でも豚シンデルは豚にしか……」
(´・ω・`)「そうだ でも豚の死骸を調べても、それらしい病原体は見つかっていない。
同じように、ビーグルの死骸からもだ ……これが、私が気になっている点だ」
( ФωФ)「なるほど……確かに、共通点であるな」
トントンσ( ФωФ)?
_,
ノパ⊿゚)っ旦 (ФωФ )
Σノパ⊿゚)っ旦 ( ФωФ)プイッ
( ФωФ)「ビーグルからなんらかの形で感染して……体内でウィルスに変異が起き、
それが豚を殺すウィルスに変化している……ということであるか?」
(´・ω・`)「恐らくは、そうだろうね」
||‘‐‘;||レ「確かに……私の故郷にも、ビーグルが少しだけどいたわ……」
( ФωФ)「それを調べるとなると……生きている状態でないといけないか……」
(´・ω・`)「豚シンデルにかかった豚は、突然死してしまう。
生きている状態で調べるのは、難しい」
(´・ω・`)「手当たり次第に調べても、そのうち当たるとは思うが……
豚達を殺戮する事は、許されない行為だ」
||‘‐‘||レ「ということは……」
( ФωФ)「はっきりとわかるのは、凶暴なビーグル……」
(´・ω・`)「そうだ だけど彼らは知っての通り、あの凶暴さだ。
生け捕りにするのは難しい 東の都の調査団も、手を出せない状態だ」
||‘‐‘||レ「……」
( ФωФ)「……」
ノパ3゚)っ旦 フーフー
重い空気がヒート以外の三人を包み込む。
ショボンの言葉の中にあった、東の都の件。
それが意味するのは、次の目的地であるそこへ行っても、大きな収穫が無いと言うことだ。
まさに、八方塞がり。
その時。
『キャウキャウ!!キャウキャウ!キャウキャウ!!!』
(;´・ω・`)「な、なんだ?!」
(;ФωФ)「な、何事であるか?!」
||‘‐‘;||レ「そ、外?!」
客室の入り口の、更に奥から、突如動物の鳴き声がした。
いや、鳴き声というよりも、奇声と呼ぶべきだろうか。
(;´・ω・`)「裏の牧場か?! まさか……動物達に何かが……」
ノパ⊿゚)「あっちだな?! 行くぞ!!」
こういう事は、ヒートの出番だ。
真面目な話に丁度退屈していたヒートは、我先にと駆け出した。
( ФωФ)「我輩達も行くのであるッ!」
||‘‐‘||レ「えぇ!」
ロマネスク、カウガールも後に続く。
無論ショボンも、その後をすぐに追った。
頭の中では────
(;´・ω・`)「くっ……走れない……!」
着ぐるみが、仇となった。
(´・ω・`)「仕方ない……アレに、着替えるか───」
焦る気持ちを抑え、心を落ち着かせた後に。
ショボンは秘密兵器のアレを、取り出したのだった。
※
ノパ⊿゚)「! あれだなっ!」
最初に牧場に辿り着いたヒートの目に映ったのは、二匹の動物。
一匹は先程聞こえた奇声をあげながら逃げ回る、ウサギ。
それを追いかけているのは、凶暴化したビーグルだ。
ノハ#゚⊿゚)「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」
ビーグル目掛け、また駆け出すヒート。
丁度その時、ロマネスクも追いついてきた。
(;ФωФ)「あ、あれは……!」
( ФωФ)「ヒート! そのビーグルは殺さずに捕まえるのであるッ!」
ノハ#゚⊿゚)「了解したッ!」
ロマネスクの声に、背を向けて駆けるままに応える。
その返事に、ビーグルも己に向かう赤い影に気がついたようだ。
▼・ェ・▼グルルルル!
標的をヒートに変更し、威嚇の唸り声を上げる。
だが、そんなものに動じるヒートでは、ない。
ノハ#゚⊿゚)「ふっ!」
身を屈め、更なる加速をその身に乗せる。
▼・ェ・▼グルルルルル……グ?!
その気迫、その威圧に、僅かに残った野生の血が奮え……
否。
血が、肉体が───震えた。
彼の身に起きた震えは、正しい。
自然に生きる存在【モノ】達の、生きる術。
即ち、危険察知能力。
ビーグルが、それを理解した時には、時既に遅し。
そこはもう、彼女の射程圏。
ノハ#゚⊿゚)「バーニング空手活人拳!! 汚職事拳!!!」
ビーグルの眼前に着地し、 ひたりと、右の手の平をビーグルの背に当てた。
そのままの体勢で、目一杯地を踏み付ける。
反発した力はヒートのしなやかな脚を通り、上へ、上へと。
力は駆ける。腰、肩、肘、手首、そして。
▼;ェ;▼ギャイイイイイイイイィィィィィィン!!!
“力”が手の平に到達した刹那。
凄まじい“力”の激流が、ビーグルの体内に流れ込んだ。
それが進む先は、心臓。
バーニング空手活人拳、汚職事拳。
数少ない人を活かす為の拳であるこの技は、凄まじい“力”を体内に送りこみ、
心臓を刺激して、生存できるギリギリの心拍数に追い込む恐るべき技である。
所謂仮死状態の間やりたい放題の自分はメシウマという、まさに汚職状態というわけだ。
ちなみに回復させるには、ヒートがまた刺激を与えれば良い。
(;ФωФ)「ちょっと?! 殺しちゃってない?!」
||‘‐‘;||レ「や、やりすぎじゃ……」
技を知らない二人の心配は、無理もない。
それ程までに、凄まじい一撃だったのだから。
しかしヒートは、自信満々の笑みで、
ノハ*゚⊿゚)b「だいじょぶ! ちゃんと生きてるよ!」
親指を立てて応えた。
( ФωФ)「んむぅ……しかし、何故群れで生息するビーグルが一匹で……」
||‘‐‘||レ「……それはそうね……」
ノパ⊿゚)「んー?」
考え込む二人を見て首を傾げるヒート。
彼女にとっては、難しいことなどどうでもいいのだ。
ノパ⊿゚)「いーじゃんか! 難しいことはさ!」
( ФωФ)
||‘‐‘||レ
ノパ⊿゚)「……?」
( ФωФ)「ふむ」
||‘ー‘||レ「ふふっ そうね」
ノハ*゚⊿゚)「なー!」
( ФωФ)「今回は、ヒートの顔を立てておくのである」
||‘ー‘||レ「あはははははっ」
ヒートの無邪気な顔に、二人の疑念も綺麗さっぱり晴れたようだ。
かくして三人は、貴重な検体を手に入れた。
ショボンの予想が当たっているのなら、このビーグルを持って行けば、
少しは謎の解明に近づくだろう。
……そういえば、ショボンは。
「ふふふふふ……」
ノパ⊿゚)「?!」
( ФωФ)「?!」
||‘‐‘||レ「?!」
「さぁ……一体何が起こったんだい?! 何があろうとも、この秘密兵器……」
バババァァァァァァァァン!!!
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(´・ω・`).| | /|
(/ ヽ) |//
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U"U
(´・ω・`)「さぁ! この最強のアルファベットZスーツを着てきたからには」
( ФωФ)「ヒート脱がせ 引っぺがせ 今すぐあいつを消せ」
ノパ⊿゚)「合点!」
(;´・ω・`)「な、ちょ一体何がええええやめちょあああえええええぇぇぇぇぇぇ……」
かくして、一騒動はあったが、ビーグル襲撃事件は一応の幕を下ろした。
果たして、彼らの予想は当たっているのか、それともまったくはずれているのか。
その答えは、彼らが進む道の先に在る。
とにもかくにも、目指す彼の地は、東の都。
確実にわかっているのは───
静かな旅にはなりそうにない、ということだ。
続く。
第6話へ アルファさん