ブーン系小説を書いているようです

◆iAiA/QCRIMが2chニュー速VIPに投下したブーン系小説自作品まとめとか雑記とか
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ξ゚⊿゚)ξ信じる者は、すくわれるようです

自作品自力まとめ
鬱につき閲覧注意です

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:40:41.28 ID:IlmjK8oy0

 全てが、凍り付く様に冷たかった。
 冬という季節と、三面の石積みの壁に、一面は鉄格子。
 どこからか吹いてくる低い唸り声のような風の音が、冷たさと寂しさを助長させる。
 
 鉄格子の向こう側にある頼りない蝋燭の火が揺らぎ、それはまるで私の心の様で。
 暗く、重く、冷たい場所に閉じ込められた牢屋の中で、蝋燭と共に辛うじて命を繋ぐ。
 
 あの灯が消えたら、私も────……
 
 なんてことは、閉じ込められた時に幾度も思ったけど、そんなことはあるはずもなく。
 蝋燭が消えても、新しい蝋燭になってそれがまたなくなっても、私が死ぬ事はなかった。
 
 もう、慣れてしまった。
 
 閉じ込められた時は泣き、叫んだ。
 なぜ私が。なぜ、こんなに暗く、冷たい地下の牢に。
 
 いくら涙を流しても、いくら声を張り上げても。
 誰の耳にも、心にも届かずに、いつしか私は、それをするのを諦めた。
 
 それなのに、私は醜く生き長らえている。
 辛くても、寒くても、孤独に押し潰されそうになっても。
 
 死を選ぶまでには、至らなかった。
 

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:42:39.63 ID:IlmjK8oy0

 食べる事をやめれば。服を破って首を締めれば。
 死ぬ方法は、いくらでもあった。
 
 しかし私は、死ぬわけにはいかない。
 
 寒さに、冷たさに、孤独の寂しさに、何度も負けそうになっても。
 一つの事だけを糧に、私は生き続けてきた。
 
 私をこんな所に閉じ込めた、あの女を。
 
 私にこんな屈辱をあたえた、あの女を。
 
 この手で、殺すことだけを。
 
 それだけに、全てを────…………
 
 
 
 石畳の無骨な床に、金属が当たる音が聴こえた。
 それは定期的に、段々と大きくなっていく。
 一日に数回聞こえるその音は、少し私を落ち着かせる。
 
 もう、そんな時間か。
 
 近づく足音は恐らく、食事を運ぶ兵士の物だ。
 

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:44:31.58 ID:IlmjK8oy0

 あの女が何を考えているのかわからない。
 わからないが、毎日三度の食事は有難かった。
 
 生きる事が出来るから。あいつを殺す機を、窺えるから。
 
 こんな所に閉じ込められている私なのだが、囚人と言うわけではない。
 ただの囚人の事を思えば、なんと手厚い待遇なのだろうと思う。
 
 本当に、有り難い事だ。
 
 そして足音が、鉄格子の前で止まった。
 
「お食事をお持ちしましたお」

 初めて聞く声と口調に、久しぶりに復讐以外の事に興味が沸いた。
 兵士が変わったのか、という程度の、ほんの小さな。
 あまり見たくない鉄格子の向こうにいる兵士の顔を覗く。
 
 冷たい鉄の棒の隙間から見えるのは、にやけ顔をした男。
 こういう顔なのだろうと思える程にその笑顔は自然に感じ、
 醜く汚れていた私の心に珍しく、憎しみ以外の感情が生まれた。
 
 でもそれは、すぐに消し飛んだけど。
 
ξ゚⊿゚)ξ「そこにおいて頂戴」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:46:14.63 ID:IlmjK8oy0

( ^ω^)「はっ 畏まりました」

 軍隊調で歯切れよく返事をする。
 やはり私が、ここに入る前はどんな人間だったのか伝えられているようだ。
 そうじゃなければ牢へ個別に食事を運ぶ命など、疑問視されてしまうだろう。
 
 この役目に抜擢された所を見ると、国からの信頼が厚い兵士か。
 はたまた、あの女直属の……息のかかった兵士か。
 
 この男の二つ前の男は、最悪だった。
 当初は怯え続けていただけの私を舐め回す様に見ていた。
 直接手は出せなかったのか、出さなかったのかは知らないが……
 
 触れられはしなかったものの、あの欲に埋もれた目は、思い出すとおぞましい。
 
 それとは対照的な、今の兵士の笑顔。
 前の男とのギャップで、この兵士の印象はなかなかに良い物だった。
 
 だから私は。
 
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと貴方」

 兵士を、呼び止めた。
 

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:47:18.74 ID:IlmjK8oy0

( ^ω^)「はっ ほかに何か、ご入り用ですかお?」

 不思議な口調だ。
 堅苦しいのに、崩れているような、そんな口調。
 出身地の方言だろうか、外の世界を知らない私に、それはわからない。
 
 どちらにしろ、なんとなくそれが気に入り、突っ込まない事にした。
 ガチガチの軍隊調で話されても、楽しくはない。
 
ξ゚⊿゚)ξ「時間はあるかしら?」

( ^ω^)「は? ……恐れながら、この後自分の食事が」

ξ゚⊿゚)ξ「そう では、ここで食べなさい」

(;^ω^)「え……いやしかし、それは……」

ξ゚⊿゚)ξ「こんなカビ臭い所では食べられないって言うのかしら?」

(;^ω^)「いえ、決してそのようなことは……」

ξ゚⊿゚)ξ「なら、急いで自分の食事をもってきなさい」

(;^ω^)「…………了解致しましたお……」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:48:31.29 ID:IlmjK8oy0

 折れ、渋々と返事をした後に、急ぎ足で廊下を戻って行った。
 あの男が、兵士達の中でどんな立場に居るのかはわからないが、
 恐らくは、先に述べた理由と、渋々ながらも了解した点から、
 それなりの地位にはいるようだ。
 
 ただの兵卒なら、自由に場所を移動して食事をとることなどできない。
 
 それは唐突に思いついた、ただの暇潰し。
 
 本当に、そんな程度のことだった。
 
 

 
 
(;^ω^)「た、大変お待たせしましたお」

ξ゚⊿゚)ξ「御苦労様 悪かったわね」

 実際、さほど待ってはいない。
 こんな場所じゃ、時間を気にする必要性もないから。
 もとい、時間の感覚などとうに、忘れてしまっていた。
 
ξ゚⊿゚)ξ「そこに座りなさい」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:49:38.82 ID:IlmjK8oy0

 冷たい石畳を指差して、促がす。
 男はそれに従い、地べたに座る。
 かちゃりと、食器を乗せたプレートを、男は自分の前に置いた。
 
ξ゚⊿゚)ξ「悪いわね 椅子も机も無くて」

 自分の口から飛び出した気遣いの言葉に、驚いた。
 男も驚いたようで、一瞬きょとんとした表情をした後に。
 
( ^ω^)「いえ、慣れておりますお」

ξ゚⊿゚)ξ「そう」

 私も質素なベットに腰掛けて、膝の上に食事を乗せたプレートを置き、食事をとり始めた。
 それを見た男も、パンを口に運び始める。
 
 野菜スープは少し冷めてしまっていたが、それでも体は少し、温まった。
 
ξ゚⊿゚)ξ「貴方」

( ^ω^)「はっ」

ξ゚⊿゚)ξ「名前は?」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:50:35.21 ID:IlmjK8oy0

( ^ω^)「内藤ホライゾンと申しますお」

 ナイトウ……変わった名だ。
 東の地方出身だろうか。そういえば、この辺りでは見ない黒髪だ。
 
ξ゚⊿゚)ξ「私は……わかるわね?」

( ^ω^)「勿論、存じておりますお」

 まぁそれは、当然のことだろう。
 我ながら、なぜこんな質問をしたのか疑問だ。
 
ξ゚⊿゚)ξ「構わないわよ 食事を続けても」

 私がしゃべると、彼は手を止めて私を見て話すから、そう言った。
 私に言わせると、それは非常に話し辛い。
 
( ^ω^)「承知致しましたお」

ξ゚⊿゚)ξ「それも」

( ^ω^)「は?」

ξ゚⊿゚)ξ「敬語はいらないわ 私は囚人と変わらないし」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:52:09.11 ID:IlmjK8oy0

(;^ω^)「いや……貴女は仮にも……」

ξ゚⊿゚)ξ「でもこんな所に閉じ込められている それは事実よ」

(;^ω^)「しかしそれは」

ξ゚⊿゚)ξ「……それは?」

 そう返すと、ナイトウは言葉に詰まった。
 何故私が、ここに閉じ込められているのか。
 どうやら彼は、それを知っているようだ。
 
 そのことに、思う所があるのだろう。
 
( ^ω^)「……私からは、とても口にできませんお」

 無難な返答。しかしそれは、素直に受け入れることができていない証拠。
 それと同時に、言葉に潜む拒絶の色も感じ取れた。
 
 対話した印象で、わかる。彼は生粋の軍人のはずだ。
 そうなると、この件に関しては同じ返答、或いはこの場から離れてしまうことだろう。
 仕方なく、話題を変える事にする。
 
 しかし。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:53:07.74 ID:IlmjK8oy0
 
 見ればもう、ナイトウは食事を終えていた。
 流石はニューソク国の屈強な兵士、と言うべきか。
 よく見れば腕は太く、体つきはがっしりとしており、
 口調以外にもそれらしさが窺える。
 
 じっと私を見つめている。食事が終わるのを待っているのだ。
 
ξ゚⊿゚)ξ「女性を急かすのは感心しないわ」

(;^ω^)「も、申し訳ありません」

 この辺りも、やはり軍人だと思えてしまった。
 以前の私なら、即座に下がれと言っていたと思う。
 
 しかし今は違う。
 
 久しぶりにした会話のせいか、耳に入る声がとても心地良い。
 久しぶりに見た笑顔のせいか、とても心が暖かく満たされる。
 
 ナイトウの不器用な軍人部分が、少し愛らしく思えた。
 
ξ゚⊿゚)ξ「……ご馳走様」

 食事の終わりは、そんな一時の終わりも意味していた。
 

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:54:29.17 ID:IlmjK8oy0

( ^ω^)「では、私はこれで失礼しますお また、夜に」

 私から食器を受け取り、そう言って一礼すると、彼は身を翻した。
 
ξ゚⊿゚)ξ「待ちなさい」

 その背中を、止める。
 ナイトウはシャンとした姿勢のまま振り返り、私を見た。
 
ξ゚⊿゚)ξ「可能なら、夜もここで食事を摂りなさい」

( ^ω^)「……それは、命令ですかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「今の私に命令をする権限なんてないわ」

( ^ω^)「……命令なら、従いますお」

 ずるい返しをする。
 そんな事を言われたら……
 
ξ゚⊿゚)ξ「……ナイトウホライゾン 今宵もここで、食事をとりなさい」

( ^ω^)「承知致しました ツン・デレ、第一王女」

 深々と頭を下げた後に、変わらぬ笑顔を見せ、ナイトウは今度こそ去って行った。
 

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:55:22.70 ID:IlmjK8oy0

 地下の奥深く、冷たい牢に閉じ込められた、第一王女。
 普通ならありえない状況だろう。
 自分自身、何故こんなことになったのか、信じられない。
 
 全ては、汚いあの女の策略のせいだ。
 
 私を陥れた、あの女。
 
 
 妹であり、第二王女である、デレ。
 
 
 私と瓜二つの、双子の妹。
 
 姉妹であることが。
 同じ容姿であることが。
 血が、繋がっている事が。
 
 全てが、忌々しい。
 
ξ#゚⊿゚)ξ「…………っ」

 無意識に、奥歯を強く噛み締めていた。
 頭の中で歯の擦れる嫌な音が反響する。
 
 それがさらに、私を苛立たせた。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:56:26.75 ID:IlmjK8oy0

 久しぶりに、あの時の事を色濃く思い出した。
 多分きっと、ナイトウのせいだ。
 
 一年か、二年か、はたまたもっと長いのか、それとは逆に数ヶ月程度なのか。
 陽の光も届かないこんな場所では、経った日数もわからない。
 そんな曖昧な時間の感覚の中で、久しぶりに、と思った。
 
 私の中では、閉じ込められてから過ぎた時間は、とても長く感じられた。
 食事と寝た回数を判断材料に、石畳に傷を付けていたが、
 途中から気が狂いそうになったから、それもやめた。
 
 そんな孤独の中で、人と接した。
 言うまでもなく、ナイトウのことだ。
 
 不思議と、あの笑顔と口調は私を大いに落ち着かせる。
 興味があるのは復讐をすることだけだったのに。
 もう、そんな心は私から消え去ったと思っていたのに。
 
 ナイトウとの出会いは、私に光明を与えるものだった。
 
 彼が去った後の孤独。それがあの時に似ていたのだ。
 
 
 だから、思い出してしまったのだ。
 
 久しぶりに。
 

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:57:05.20 ID:IlmjK8oy0





ξ-⊿-)ξ「ん…………」

 冷たく、硬い感触。
 
 それ以外にも、痛い。
 
 冷たくて、痛い。
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………」

 目を開けた。
 
 全ての物が、ひっくり返っていた。
 
 目の前に見える何本もの黒い線と、その向こう側にいる、見知った顔。
 
 私の妹の姿も、ひっくり返っていた。
 
 違う。
 
 そこでやっと、自分が倒れている事に気付いた。
 

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:57:39.29 ID:IlmjK8oy0

ζ(゚、゚*ζ「お目覚めかしら」

ξ;゚⊿゚)ξ「デ……ぇ……」

 うまく話すことができない。
 舌が痺れ、呼吸をするのがやっとだった。
 
ζ(゚、゚*ζ「その方が都合がいいから、そのまま聞いて」

ζ(゚、゚*ζ「薬のせいで体の自由は少しの間効かないけど、じきに治るわ」

 薬……?
 何を……言って……
 
ζ(゚、゚*ζ「まず最初に、ごめんなさいね、お姉様」

ζ(゚、゚*ζ「お姉様にはここで、多分、ずっと、過ごしてもらいます」

 …………え?
 
ζ(゚、゚*ζ「お姉様には、何の恨みもないわ」

ζ(゚ー゚*ζ「大好きだもの」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 21:59:47.66 ID:IlmjK8oy0

ζ(゚ー゚*ζ「お父様が死んだのは、正直驚いたわ」

ζ(゚ー゚*ζ「病死だったけど……ま、謀殺でも別にどっちでもいいかな」

ξ;゚⊿゚)ξ「な………ぁ……ぁ……」

ζ(゚ー゚*ζ「予定より早かったなぁってくらい お父様の死の印象はそのくらい」

ζ(゚、゚*ζ「でも、私の予定が狂う事が、一番痛い」

 あんなに。
 
 あんなにお父様を愛していた、あの子が。
 
 あんなに、小さい頃お父様に甘えていたあの子が。
 
 なんて、恐ろしい事を。
 
ζ(゚、゚*ζ「……そんな目で見ないで お姉様のことは、本当に好きよ?」

ξ ⊿ )ξ「……が…………か……」

 誰が、信じるか。
 吐き捨ててやりたかったのに、痺れは未だ私を縛る。
 

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:00:55.06 ID:IlmjK8oy0
 
ζ(゚、゚*ζ「国のことは、私に任せておいて」
 
ζ(゚、゚*ζ「使えそうな男がいるから、ソイツを利用するわ」
 
ζ(゚、゚*ζ「何年かかるかわからないけど……落ち着いたら……」
 
 
ζ(゚ー゚*ζ「また、くるね」
 
 
 そうか。
 
 それが、目的か。
 
 私がいなくなれば、自分が第一王妃として国を引っ張れる。
 使えそうな男を王に仕立て上げ、実際に国を操るのは……
 
 私のことは、適当な死体を作ればどうにでもなると言う事だ。
 
 
 デレはこんな女だっただろうか。
 
 信じられない。
 
 信じたくない。
 

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:01:37.98 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 しかし、肌に感じる冷たい石の感触が。
 
 これが現実だと私に冷酷に告げていた。
 
 背を向けたデレが、段々と遠くなっていく。
 
 仲の良かった、妹が。
 
 最愛だった、妹が。
 
 妹だと思っていた、女が。
 
 
 薬が切れ、やっと体が、口が自由になった時。
 
 
ξ;⊿;)ξ「ぅ……あぁ……あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 
 
 悲しさと悔しさが、とめどなく溢れ出た。
 
 
 

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:02:30.82 ID:IlmjK8oy0
 
 
 

 
 
 
「ど、どうなされましたかお?!」
 
 その声で、私は我に返った。
 
ξ;⊿;)ξ「え……?」
 
 気付けば私は、泣いていた。
 涙などとうに涸れたと思っていたのに。
 
 人の温もりが思い出させた、忌々しい過去。
 
 それを思い出していたら、いつのまにか。
 
(;^ω^)「どこか、お体の具合が?」
 
 鉄の格子の向こう側で、私を心配するナイトウ。
 
 涙を流しているところを、男に見られた。
 

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:03:50.10 ID:IlmjK8oy0
 
 王族の女にとって、言うまでもなくそれは屈辱に相当する。
 
 それなのに。
 
 なぜこんなにも、安心してしまうのだろう。
 
 私に王家のプライドだとか、そう言った物がなくなったからなのか。
 孤独の中で、知らぬうちにそこまで人を求めていたのか。
 
 外の世界では、私はきっと死んだことになっているはずだ。
 
 そうだ。
 
 私はもう、死んでいるのだ。
 
 それなら、恥じる事など何もない。
 
 何をしようと、何を企てようと。
 
 
 復讐しようと、自由だ。
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「なんでもないわ」
 
 涙を拭い、強く言い放った。
 

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:04:39.37 ID:IlmjK8oy0
 
 それにしても、もう夕食の時間だとは。時間の感覚が完全に麻痺している。
 ひょっとしたらあの時のことを思い出していたのではなく、夢を見ていたのかもしれない。
 もしそうなら、悪夢とは言え久しぶりに夢を見たことになる。
 
 ナイトウの顔を見つめた。
 
 今回が二度目の、ナイトウの顔。
 
 一度会っただけで、私の中で何かが変わった気がする。
 何かが生まれた気がする。懐かしい物を、思い出した気がする。
 夢を見た事も、ナイトウの影響なのかもしれない。
 
 
 知りたい。
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、ナイトウ」
 
( ^ω^)「はっ」
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「貴方の事、話してくださる?」
 

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:06:23.66 ID:IlmjK8oy0
 
 
( ^ω^)「私の事ですかお?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「えぇ、故郷の事とか、色々と聞きたいわ」
 
 近寄り、夕食を受け取る。
 そのまま私は冷たい石の地べたに座り、食事を乗せたプレートを置いた。
 床で食事をするなんて、初めての───……
 
 
 違う。
 
 
 幼い頃、あったはずだ。
 お父様と、お母様と、あの女と。
 お城の庭で、草の上に絨毯を敷いて、皆で食事をしたことがあった。
 
 あの時の温かい物が、なぜかこの冷たい石畳の上でも仄かに感じる。
 
 
( ^ω^)「故郷、ですか」
 
 
 それは多分、ナイトウの存在がそうさせるんだろう。
 

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:07:10.57 ID:IlmjK8oy0
 
ξ゚⊿゚)ξ「見たところ、東の方の出身じゃないかしら?」
 
( ^ω^)「……その通りですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「この辺りでは、黒髪の者は珍しいから」
 
( ^ω^)「名も無き、小さな村でしたお」
 
 笑顔に、少しの影が差しかかった気がした。
 
( ^ω^)「そんな村は、戦火に耐える事などできるはずもなく……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「私が十四の時に、戦争に巻き込まれて、存在すら無き物になりましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……悪い事を、聞いたわね」
 
( ^ω^)「今の世では仕方のないことですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……そんな村の出身の貴方が、なぜここに?」
 
 
( ^ω^)「……」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:07:44.36 ID:IlmjK8oy0
 
 
( ^ω^)「村で唯一の子供だった私は、皆に優しくされていましたお」
 
 
( ^ω^)「村人全てが、私の親の様な存在で……」
 
 
( ^ω^)「村の近くで戦が始まった時」
 
 
( ^ω^)「村からかき集めた少しばかりのお金と食糧を渡されましたお」
 
 
( ^ω^)「お前は生きろ ニューソクに入軍し、戦争を終わらせてくれ、と」
 
 
( ^ω^)「……その夜、戦いから逃れた兵達によって、村は……」
 
 
 生きる為の、略奪行為。
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「……そう」
 

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:08:35.20 ID:IlmjK8oy0
 
 
(  ω )「……」
 
 一瞬、ナイトウが目を伏せた。
 
(  ω )「その兵達が、ニューソクか……相手国のトウホウかはわかりませんお」
 
 
(  ω )「でも……そんな悲しいことは起こしちゃいけないんですお」
 
 
(  ω )「…………」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ……」
 
 
(  ω )「だから……」
 
 
( ^ω^)「だから私は、ニューソクに所属して、戦争を終わらせるんですお」
 
 
 そう言ったナイトウは、またいつもの笑顔に戻っていた。
 

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:09:57.92 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
( ^ω^)「幸い私には、武の才があったようで、今はそれなりの地位におりますお」
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
 
 
 なんと強い男なのだろう。
 
 
 なんと優しい男なのだろう。
 
 
 戦乱の世、間違いなく最下層に位置していた男は。
 自分の様な者をこれ以上生み出してはならないと誓い。
 
 たった一人で、戦を終わらせようと。
 
 真っ直ぐな、心で……
 

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:11:46.06 ID:IlmjK8oy0
 
 
( ^ω^)「だから……」
 
 
 
( ^ω^)「だから貴女も、諦めないでくださいお」
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「……っ!」
 
 
 
( ^ω^)「生きている限り、望みはありますお」
 
 
 
( ^ω^)「それを忘れないでほしいですお」
 
 
 
 胸が、高鳴る。
 
 ナイトウは、知っている。
 

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:12:43.79 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 私が、復讐を考えていることを知っている。
 
 不思議な力を秘めた笑顔に、私は動くことを忘れていた。
 
( ^ω^)「……食べないんですかお?」
 
ξ ⊿ )ξ「……そんな気分じゃ……ないわ……」
 
( ^ω^)「……わかりましたお」
 
 するとナイトウは、自分の食器を乗せたプレートを持ち、立ち上がった。
 
( ^ω^)「気が向いたら、食べて下さいお 今日は置いたままにしておきますお」
 
 
 
( ^ω^)「……明日もまた、きます 失礼しますお」
 
 
 そう言って、ナイトウは暗い廊下の向こうへと消えて行った。
 
 私はその姿を、ぼうっと、見えなくなってもずっと、見つめていた。
 

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:14:04.97 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
 その日から、ナイトウは自分から毎日食事を共にしてくれた。
 
( ^ω^)「王女は、嫌いな食べ物はないんですかお?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「ここに入る前は、たくさんあったわ」
 
( ^ω^)「では今は、ないと?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「食べなきゃ、死んでしまうから 選り好みはやめたの」
 
( ^ω^)「なるほど いいことですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「案外、追いこまれると何でも食べられるものね」
 
( ^ω^)「私も遠征先では、色々と食べましたお 現地調達して…」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……さすがにその話は、食事中は遠慮しておくわ……」
 
(;^ω^)「申し訳ありませんお……」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:14:38.03 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
ξ゚⊿゚)ξ「戦争はどうなっているの?」
 
( ^ω^)「ニューソクは日に日に、その勢力を拡げていっていますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……そう」
 
( ^ω^)「ニューソクの天下は揺るぎないですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……あの女は、よくやっているようね……」
 
( ^ω^)「……はい 前王を凌ぐ手腕ですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……王には、どんな男が……?」
 
( ^ω^)「……デレ様の、操り人形ですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:15:55.45 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「決を下すのは、確かに王ですが……」
 
( ^ω^)「政治にしても、戦にしても、デレ様が軸となっていますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「そう……使い易いとは、そういうことなのね」
 
(  ω )「……確かに、扱いやすいと思いますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「こんなこと聞かれたら、貴方は首を飛ばされてしまうわね」
 
(;^ω^)「そ、それは……どうかご内密に……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「どうしようかしら」
 
(;^ω^)「ご、ご慈悲を! ご容赦を!」
 
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい 言わないでおいてあげるわ」
 
( ^ω^)「ありがとうございますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……貴方が死んだら、私が困るからね」
 
( ^ω^)「……王女……」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:17:25.61 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウは」
 
( ^ω^)「はい?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「毎日毎日ここへきて、大丈夫なの?」
 
( ^ω^)「大丈夫ですお するべきことは、やっていますから」
 
ξ゚⊿゚)ξ「そう……」
 
( ^ω^)「ここに来るのが、毎日楽しみですし」
 
ξ*゚⊿゚)ξ「……何言ってるのよ……」
 
( ^ω^)「? 素直にそう思ってますお」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「……天然……なのね……」
 
(;^ω^)「は?」
 

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:18:29.78 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
 どうでもいいことから、国の事。
 私の質問に、ナイトウは包み隠さずに答えてくれた。
 
 私を安心させる笑顔で。
 
 でも時々、私に何かを匂わせる様に。
 
 私の中を探る様にも感じたけど、不思議と嫌な気はしなかった。
 
 心を開かれていく感覚。
 
 それが、嫌いじゃなかった。
 
 優しい笑顔と大きな体が、どこかお父様に似ていたからだろうか。
 
 何にせよ、私にとってナイトウの存在は、大きな物になっていた。
 
 そして、何日、何週間過ぎたかわからない頃。
 
 その時が、来た。
 

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:20:23.49 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
( ^ω^)「王女は」
 
ξ゚⊿゚)ξ「なにかしら?」
 
( ^ω^)「戦争について、どう考えておられますかお?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……正直、あまり考えた事はないわ」
 
( ^ω^)「そうですかお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「外に居た時もお城は平和だったし、ここじゃ何もわからないし」
 
( ^ω^)「それは確かに」
 
ξ゚⊿゚)ξ「でも、ナイトウと会ってからは、変わったわ」
 
( ^ω^)「と、言いますと?」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:21:52.01 ID:IlmjK8oy0
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「少しでも早く、終わらせないといけない そう思うわ」
 
( ^ω^)「王女……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「争いに犠牲はつきものよ それは仕方がないわ」
 
( ^ω^)「そう、思いますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「だからこそ、少ない犠牲で早く終わらせたい」
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウの様な人を、少しでも減らしたい」
 
ξ゚⊿゚)ξ「無知な女の、浅はかな考えだけど、そう思うわ」
 
( ^ω^)「とんでもないですお 心に響きましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「そう……ありがとう」
 
( ^ω^)「……いつか、再び……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
 
( ^ω^)「ツン王女が、返り咲く日を願いますお」
 

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:22:56.26 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ……」
 
 
( ^ω^)「……出しゃばりすぎましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「……」
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウは……」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウは、私が何を考えているのか、解るの?」
 
 
( ^ω^)「……」
 
 

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:24:50.03 ID:IlmjK8oy0
 
 
( ^ω^)「普通は……」
 
 
( ^ω^)「普通なら、こんな状況に陥ったら、自害するか、発狂してしまうと思いますお」
 
 
( ^ω^)「だけど王女は、そうはならずに、しっかりと自己をお持ちですお」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
 
 
( ^ω^)「それはきっと、何か考えが……信念があると」
 
 
( ^ω^)「そんな気が、するんですお」
 
 
( ^ω^)「それは多分、私に似た物であるとも、感じてますお」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ……」
 

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:26:15.55 ID:IlmjK8oy0
 
ξ゚⊿゚)ξ「……でもそれは、国にとっては大変なことよ」
 
( ^ω^)「そうです……おね」
 
ξ゚⊿゚)ξ「それでもナイトウは私を後押ししているような気がする」
 
( ^ω^)「……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「それは、何故かしら」
 
( ^ω^)「…………」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……答えられない?」
 
( ^ω^)「……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……そう……」
 
( ^ω^)「……実は」
 
ξ゚⊿゚)ξ「うん?」
 

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:27:35.57 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「王女の食事係りへは、自分から申し出たんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「え……」
 
(  ω )「前の二人の男を、覚えていますかお?」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……覚えているわ」
 
(  ω )「あの二人、実は入軍からの仲でして、王女のことを聞いていたんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……そうなの……」
 
( ^ω^)「王直属の近衛騎士団ですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……! まさか、あの中から……」
 
( ^ω^)「前王が死去し、騎士団はデレ様直属の部隊となりましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……え? お母様は……?」
 
(;^ω^)「…………」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「まさ……か……」
 

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:29:18.76 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「デレ様の結婚候補者に、近辺の領主の息子がおりましたお」
 
( ^ω^)「近衛騎士団を率いて、前王妃はその方に会いに行きました」
 
(;^ω^)「……そこで振る舞われた……食事に……」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな……」
 
( ^ω^)「即効性の毒でしたお その領主とは古くからの付き合いで……
      いつの頃からか毒見を怠っていた それが仇に……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………そう」
 
( ^ω^)「領主の一族はその場で処刑されましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……なるほど……ね……」
 
( ^ω^)「……それにより、権限がデレ様へ移ったんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「後は実に、スムーズでしたお」
 

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:31:08.57 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「デレ様が仕立てた操り人形のような王が現れ」
 
( ^ω^)「王女は死んだことになり、デレ様の王政が始まりましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
 
(  ω )「王の死については、未だ真相はわかりませんが……」
 
( ^ω^)「前王妃の死は……どう考えても……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……私ばかりでなく……お母様まで……!」
 
( ^ω^)「そういう、ことですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「あくまで、想像の範疇ですが……」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……いいわ……ありがとう」
 
( ^ω^)「……だから私は……怖いんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
 

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:32:57.21 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「肉親にここまでのことができる、デレ様が」
 
( ^ω^)「笑顔で虫を殺す子供のように、人を殺すデレ様が」
 
( ^ω^)「……怖いんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ……」
 
( ^ω^)「あんな方がこの地を治めたらと思うと……」
 
( ^ω^)「戦争の終局も、素直に喜べませんお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……圧政、ね」
 
( ^ω^)「……はい」
 
 
 
( ^ω^)「だから……」
 
 
 
 
( ^ω^)「だから私は……王女と接触したんですお」
 

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:34:05.75 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「王女がどんな方かこの目で見たくて」
 
( ^ω^)「デレ様に、申し出たんですお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「最初は、そんなつもりでしたお」
 
( ^ω^)「でも、王女と話を続けていくにつれて……」
 
( ^ω^)「日々を重ねるにつれて……」
 
 
( ^ω^)「王女の中に、燻っている思いが、諦めていない心があることを、感じましたお」
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ……」
 
 
(  ω )「勝手ながら、私はそれに希望を抱いたんですお」
 
 
(  ω )「私に力がないばかりに……申し訳ないですお」
 

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:35:14.05 ID:IlmjK8oy0
 
 
( ^ω^)「ツン様」
 
 
 ナイトウが初めて、私の名を呼んだ。
 
 
( ^ω^)「この牢は……どこにあると思いますかお?」
 
 
 ……地下……でしょう?
 
 
( ^ω^)「この暗い廊下と階段の先は、実に華やかな部屋なんですお」
 
 
 それって。
 
 
( ^ω^)「……ここは、隠し部屋なんですお」
 
 
( ^ω^)「通じている先は……」
 

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:36:25.06 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
( ^ω^)「デレ様の、自室ですお」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:37:35.35 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
 ナイトウが去り、一人暗い牢の中で天井を仰いで、考える。
 この暗い道の向こうに、デレの部屋がある。
 
 何故それを、私に伝えたのか。
 
 簡単だ。
 
 ナイトウは、私の声を待っているのだ。
 
 いつでも、ここから出すことができる。
 
 いつでも、デレに復讐する機会を与えられる。
 
 私がそれをすると言うのを、待っているのだ。
 
 デレの部屋にある、隠し部屋。
 私が今まで兵卒に見つからなかった事にも、合点が行く。
 

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:39:55.56 ID:IlmjK8oy0
 
 王女の自室に男が入るなど、万死に値する。
 
 なるほど、よく考えたものだ。
 
 
 
────デレ様が、怖いんですお
 
 
 
 恐ろしい。
 
 私をここに閉じめるだけに留まらず。
 
 なんと、お母様を謀殺していたという。
 
 その全ては、国を手中にする為だけに。
 
 自己の利益だけに、私を、お母様を。
 
 ナイトウと同じく、私も怖い。
 

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:41:31.65 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
────予定より早かったなぁってくらい お父様の死の印象はそのくらい
 
 
 
 お父様の死に対してのデレの言葉。
 
 予定より、早かった。
 
 明らかに、近々死ぬ事を想定している言葉だ。
 
 もしかしたら、薬で少しずつ?
 ……十分に、考えられる。
 
 まさか、お父様までも。
 
 
ξ# ⊿ )ξ「────ッ!」
 
 
 強く、固いベットを殴り付けた。
 古い木が軋む音が、とても耳障りだ。
 

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:42:53.39 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 だけど、それ以上に。
 
 
 
 あの女が、目触りだ。
 
 
 
 もう。
 
 
 
 もう、体が、心が、治まらない。
 
 
 
 あの女を、この世から消さないと、治まらない。
 
 
 
 私は、決意をした。
 

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:44:04.81 ID:IlmjK8oy0
 
 

 
 
ξ゚⊿゚)ξ「ナイトウ」
 
 次の日の夜、食事を運んできたナイトウに、言い放った。
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「私をここから、出しなさい」
 
 
 
 自分の声が、驚くほど響いて聞こえる。
 
 ナイトウは黙って、私を見ていた。
 
 
 そして。
 

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:46:00.38 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「ツン様」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……?」
 
( ^ω^)「よくぞ決心されましたお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
( ^ω^)「その言葉を、待っていましたお」
 
 それは知っている。
 どちらかと言うと、ナイトウの情報で決意したのだから、
 ナイトウに後押しされたとも言える。
 
 だが、決意したのは私自身だ。
 
 それにナイトウも、喜んでいるようだ。
 
ξ゚⊿゚)ξ「……」
 
 ナイトウが、牢に近づき、鍵を開けた。
 
 錆びた鉄の耳障りな音がした後、外への扉が、開いた。
 

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:47:36.59 ID:IlmjK8oy0
 
 暗い廊下と、冷たい空気は変わらない。
 
 それなのに、とても世界が広く感じた。
 
 そして並んだナイトウも、とても大きかった。
 
 ナイトウは腰に携えていた小剣を抜き、片膝をついて跪く。
 
 両手で刃を持ち、柄を私に向け、差し出した。
 
 私は剣の柄を握り、刃をナイトウの左肩へ乗せる。
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「内藤ホライゾン ニューソク国第一王女の名の下に命じます 私を、護りなさい」
 
 
 
 
( ^ω^)「内藤ホライゾン 騎士として、貴女に忠誠を誓います」
 
 
 本来であれば、煌びやかな城内で行われる、忠誠の儀。
 蝋燭の頼りない灯りの下、たった二人だけで行われたそれは。
 
 私にとって、とても心強い騎士の誕生だった。
 

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:50:20.72 ID:IlmjK8oy0
 
ξ゚⊿゚)ξ「……行きましょう」
 
 私の声に、ナイトウは立ち上がる。
 
( ^ω^)「その剣は、ツン様がお持ち下さい」
 
ξ゚⊿゚)ξ「…………」
 
( ^ω^)「決着は、ご自身の手で」
 
 ナイトウの言葉を聞いて、しっかりと剣の柄を握り締めた。
 
 
 
ξ゚⊿゚)ξ「……あの女は……今この先に……?」
 
( ^ω^)「います」
 
 即答だった。
 
 ここに来る際に、デレの部屋を通らなければいけないのだから、解りきった事か。
 
 
( ^ω^)「……大丈夫ですかお?」
 

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:52:15.04 ID:IlmjK8oy0
 
ξ゚⊿゚)ξ「……えぇ、問題ないわ」
 
( ^ω^)「……では、私が先に」
 
 
 ナイトウの大きな背中の後に続く。
 久しぶりに歩くという行為をしたが、特に問題はなかった。
 
 一歩、また一歩。
 
 あの女に、近づいていく。
 
 
 剣を握る手に、さらに力が入った。
 
 
 もやもやと私の中で蟠っていた恨みが。
 
 行き場を求め、私の中を駆け巡っていた殺意が。
 
 握りしめた小剣に流れていく。
 
 果たして、あの女の顔を見た私は平静を保っていられるだろうか。
 

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:54:19.29 ID:IlmjK8oy0
 
 長い階段が続く。
 螺旋状に、ぐるぐると。
 
 少し、息が切れる。
 やはり体力は低下しているようだ。
 
 こんな調子で大丈夫なのか、少し不安になる。
 
 だけど、私にはナイトウがいる。
 
 だからきっと、大丈夫だ。
 
 
 いつの間にか私は、ナイトウを信じ切っていた。
 
 孤独の中で、私に触れ、優しく接してくれた唯一の人。
 
 哀しみを背負って、私に自分の夢を重ねた人。
 
 
 ナイトウの為にも。
 
 私が、やらなければ。
 

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:56:23.15 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 そして、ナイトウが止まった。
 
 
 
 顔を見合せ、二人で頷いた後に。
 
 
 
 ナイトウが重い扉を開ける。
 
 
 
 眩しい光が、闇を貫く。
 
 
 
 やがて目が慣れた時。
 
 
 
 あの女が、こちらを見ていた。
 
 

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:57:50.10 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ζ(゚、゚*ζ
 
 
 
 居た。
 
 私を閉じ込めた、張本人が。
 
 大切な両親を謀殺した、妹だった女が。
 
 
ξ# - )ξ「……ッ!」
 
 
 音がたつ程に、奥歯を強く噛み締める。
 
 
ζ(゚ー゚*ζ「……きたんだ、ね」
 
 あの頃と、何も変わらない笑顔で。
 
 ゆっくりと、しゃべりだした。
 

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 22:59:34.15 ID:IlmjK8oy0
 
ζ(゚ー゚*ζ「お姉様、久しぶり」
 
ζ(゚ー゚*ζ「元気そうでよかったわ」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「黙れッッ!!」
 
ζ(゚、゚*ζ「……怖いなぁ……ごめんね」
 
ζ(゚、゚*ζ「そろそろ来る頃だと、思ってたわ」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「うるさいッ!」
 
ζ(゚、゚*ζ「ありゃりゃ……まぁ、仕方ないかぁ……」
 
 
 もう、治まらない。
 
 私はデレに歩み寄る。
 
 そんな私を、デレはじっと見ていた。
 

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:01:21.56 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ζ(゚、゚*ζ「……お姉様、ごめんね」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「こうするしか……浮かばなかったの……」
 
 
ξ#゚⊿゚)ξ「何が……何がよ!!」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「……敵が、見えなかったの」
 
 
 
 
ζ(゚、゚*ζ「お父様と、お母様を殺した、敵が」
 
 
 
 
 何を……言った……?
 
 

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:03:58.54 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ξ ⊿ )ξ「え……?」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「……私は、殺してない」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「でも、敵の姿が見えなかった」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「お父様の死の後、私はすぐに手を打った」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「二人一緒だったら、多分どっちかがそのうち殺されてたから」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「だから、お姉様を隠したの」
 
 
ζ(゚、゚*ζ「私が殺される前に……敵を……暴く為に……」
 
 

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:05:40.57 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 デレの視線が、私からはずれた。
 
 デレの視線を、無意識に追う。 
 
 その先には。
 
 
 
(  ω )
 
 
 
 ナイトウ。
 
 
 
 私の、たった一人の、騎士。
 
 

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:07:37.40 ID:IlmjK8oy0
 
 
ζ(゚、゚*ζ「お姉様をここにくるように仕向けたのは……貴方ね」
 
(  ω )「知らないお」
 
ζ(゚、゚*ζ「……なぜ……貴方が……」
 
(  ω )「……」
 
ζ(゚、゚*ζ「答えなさい ニューソク国、国王、内藤ホライゾン」
 
 
 …………え?
 
 今……なんて……
 
ζ(゚、゚*ζ「婚約者候補が次々と死んで……近衛騎士団から文武に長けた者を選出した」
 
ζ(゚、゚*ζ「血縁ではない為に、手腕を量る期限付き条件下で、ね」
 
ζ(゚、゚*ζ「……あなたは立派に、国土を拡大させていった」
 
ζ(゚、゚*ζ「それなのに……」
 

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:09:24.88 ID:IlmjK8oy0
 
(  ω )「嘘だお」
 
ζ(゚、゚*ζ「───ッ!」
 
(  ω )「ツン様、出鱈目ですお」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「……そうよ……この期に及んで……見苦しいわよ!」
 
ζ(゚、゚*ζ「……お姉様……」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「じゃあなぜ、今まで姿を見せなかったの?!」
 
ζ(゚、゚*ζ「それは……」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「行ってごらんなさいよ!」
 
ζ(゚、゚*ζ「……お姉様を見てると……辛くて……私……」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「……理由にならないわよ! そんなの!」
 
ζ(゚、゚*ζ「…………」
 
ξ#゚⊿゚)ξ「……デレ……」
 
ζ(゚、゚*ζ「……」
 

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:11:19.68 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ξ#゚⊿゚)ξ「私は、復讐しにきたのよ」
 
 
 
ζ(゚、゚*ζ「お姉様……」
 
 
 
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタを……」
 
 
 
 
 
 
 
ξ#゚⊿゚)ξ「殺す為に!!」
 
 
 
 

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:12:39.60 ID:IlmjK8oy0
 
 
 駆けた。
 
 
 デレは、笑っていた。
 
 
 とても乾いた笑みで。
 
 
 まるで全てを、諦めたように。
 
 
 そして。
 
 
 私と、私が握った小剣を。
 
 
 
 受け入れた。
 
 

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:14:37.09 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ζ( 、 ;ζ「……う……あ……」
 
 腹に突き刺した小剣は、背中まで飛び出した。
 
 初めて、人を刺した感触は、よくわからなかった。
 
 頭に血が上っていたせいかもしれない。
 
 手に伝わる、ぴくりと動く肉と、脈打つ臓器と、ぬるぬるとした血の感触。
 
ζ( 、 ;ζ「ごめん……ごめ……ん……おね……ま……」
 
 私に倒れかかり、耳元で謝り続けていた。
 
 うるさい。黙れ。この……親殺し……!
 
ζ( 、 ;ζ「だいす……き……おねぇ……さ……」
 
 
 ………………
 
 

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:16:10.60 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
ζ( 、 ;ζ「おんな……って……だめ……ね……」
 
 
ζ( 、 ;ζ「あいし……た……人を……しんじ……ちゃ……」
 
 
ζ( 、 ;ζ「わた……し……も……しんじて……た……」
 
 
ζ( 、 ;ζ「それなの……に……ない……と……!」
 
 
ζ( 、 ;ζ「さっ……きの……で………わか……た……こと……」
 
 
ζ( 、 ;ζ「さ……ご……に……こ……これだ……け……」
 
 
 
 
ζ( 、 ;ζ「──────…………」
 
 
 

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:17:56.98 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 最後に、私に言葉を残して、デレは事切れた。
 
 
 
 本当に……
 
 
 
 本当に……これでよかったのだろうか。
 
 
 
 ねぇ、ナイトウ、教えて。
 
 
 
 私を安心させて。
 
 
 
 ナイトウ……
 

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:19:19.39 ID:IlmjK8oy0
 
( ^ω^)「ツン様」
 
ξ;⊿;)ξ「ナイトウ!」
 
 私はナイトウの胸に飛び込んだ。
 
 暖かい。とても、安心する。
 
( ^ω^)「……お見事です……これで……前王達もうかばれますお」
 
ξ;⊿;)ξ「う……ナイトウ……」
 
( ^ω^)「……処理は私が……ツン様はお休みください」
 
 
 嫌だ。
 
 もっと私を、安心させて。
 
 私は間違っていなかったと、感じさせて。
 
 デレの最期の言葉を、否定させて。
 

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:20:24.46 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 
ξ;⊿;)ξ「ナイトウ……」
 
 
 
( ^ω^)「はい?」
 
 
 
ξ;⊿;)ξ「……お父様達を殺したの……」
 
 
 
( ^ω^)「……」
 
 
 
ξ;⊿;)ξ「ホントに……デレだよ……ね?」
 
 
 

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/13(火) 23:21:33.01 ID:IlmjK8oy0
 
 
 
 『お姉様……』
 
 
 
 『ナイトウは……』
 
 
 
 『嘘をつく時に……』
 
 
 
 
(  ω )「はい 彼女こそが、黒幕ですお」
 
 
 
 
 『目を、伏せるの』
 
 
 
 終わり。

【 2009/01/14 】 短編 | TB(0) | CM(0)
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