ブーン系小説を書いているようです

◆iAiA/QCRIMが2chニュー速VIPに投下したブーン系小説自作品まとめとか雑記とか
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春の七草・七草粥


正月ボケも抜けた頃、一月七日の朝。
 
J( 'ー`)し「ドクオー。朝ご飯よー」

正月が終わろうと朝の寝ぼけは三百六十五日年中無休であり。
いつもの流れで寝起きのタバコを吸っていると、カーチャンの声が飛び込んできた。

('A`)「ん、あぁー」

だるそうにしまりのない返事をしておく。
実際だるいのだから仕方がない。

だけど、メシを作ってもらえるだけでありがたい。
無造作に灰皿へタバコを押しつけ、部屋を出た。

('A`)「さむっ」

今年は元日から寒い日が続いている。
暖房の効いた部屋の外は、本当に同じ建物かと思うほど冷え込んでいた。
“はんてん”のえりを首を絞めるくらいきゅっと閉め、駆け足で階段を下りた。

J( 'ー`)し「おはよ」

台所のすぐ隣。ど真ん中にコタツが設置された居間に着くと、カーチャンがそう迎えてくれた。

('A`)「おはよう」

見ればコタツの中央にはいかにも熱そうな土鍋。
朝から鍋かと思い、頭に二、三個ハテナマークを浮かべつつコタツに入り込んだ。
ああ、いいね。やっぱり日本人の冬はコタツに限る。
北海道、寒い地域は逆にコタツがないと言うのだから、損していると思う。

俺が座ったのを確認すると、カーチャンは土鍋の蓋を開けた。
現れたのはその中に手を入れたら火傷してしまいそうな真っ白な湯気。
それが真っ直ぐに上へとのぼり、上昇とともに温度を下げていき、天井につく前にかき消えた。

湯気の発生源に目をやる。
土鍋の中は、銀世界。平原に浅く雪が積もったように、所々に緑が散りばめられていて。
違うのはこれが食べ物で、温かいと言う事だ。

('A`)「あー、七草粥?」

J( 'ー`)し「そうよ。これでいよいよお正月も終わりね」

そんなことを言いながら俺の分を茶碗によそってくれる。
たしかに、毎年カーチャンお手製の七草粥を食べると、正月の終わりを実感する。
仕事も始まったし、これでしっかりと気を入れ替えよう。

J( 'ー`)し「はい。めしあがれ」

('A`)「いただきます」

れんげでたっぷりと粥をすくい、そのまま口の中へ……

J( 'ー`)し「熱いわよ」

半分くらい口にいれた所で、カーチャンの忠告。

('A`)「オホッフホッフハッ」

熱い。熱すぎる。
トロトロになった熱々の米が舌の上を泳ぎ、俺の舌を刺激する。
必死に冷たい空気を送り込み、口の中で冷まそうとするがなかなか冷めてくれない。

('A`)「ゴクッ」

たまらずに飲み込んだ。
喉を通り、食道を通り、胃に落ちたのがわかる程に最後まで熱かった。
一口で体がぽかぽかになってしまう。

J( 'ー`)し「子どもの頃のままね」

うるさい。
カーチャンの言葉をスルーして、れんげに半分残ったお粥をふーふーしてやる。
二度、三度。そのくらいではコイツは冷めてくれない。
未だ湯気をゆらゆらと立ち上らせていた。

だが冷たくなっては本末転倒。今度はしっかりと覚悟をして口に運ぶ。

('A`)「ムグッ」

よし。今度は耐えられる熱さだ。
さっきのはあまりに熱くて味がわからなかった。
普通、お粥はあまり噛まないと思うが、これは少し違う。
あえてしんなりとさせない程度に火が通った七草を咀嚼する度に、
シャキシャキと心地良い音を口の中で、耳の奧に反響させてくれる。

('A`)「うまい」

J( 'ー`)し「ありがとう」

濃い味が好きな俺に合わせてくれたのか、塩味も絶妙な加減だった。
スズシロ、つまり大根の葉を塩漬けにして、それを入れているのだそうだ。
この塩漬けは薬味としても俺は大好きだが、こうしてもうまいんだな。

J( 'ー`)し「ドクオ」

('A`)「んん?」

J( 'ー`)し「小さいときに一生懸命覚えてた七草、まだ言える?」

('A`)「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、だろ」

J( 'ー`)し「よく言えました」

('A`)「もうなんか、語呂で覚えちゃったな」

小さい頃、ずっとブツブツと呟いていた春の七草。
あの頃と変わらず、カーチャンの手で調理され、俺の腹を満たしてくれている。
元々豊年を願い、家族と共に今年一年元気に過ごせるようにと願い、食べるそうだ。

今年一年と言わず、ずっと元気でいてくれな、カーチャン。

と、口に出すのは恥ずかしいから……。

('A`)「ごちそうさま。うまかったよ」

心の中で、呟いた。
【 2010/01/07 】 短編 | TB(0) | CM(1)
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【 2010/02/15 】 編集
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