ブーン系小説を書いているようです

◆iAiA/QCRIMが2chニュー速VIPに投下したブーン系小説自作品まとめとか雑記とか
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貞子企画『クリスマスの、涙のようです』

 参考リンク──貞子企画──

 クリスマスの、涙のようです

 第一話『その子は、確かに』
 雪がふっていました。
 
 つめたい、つめたい、真っ白な、雪が。
 
 灰色の空を見上げた後、私は足元を見下ろしました。
 
 大好きな、とても大好きな男の子が、倒れていました。
 
 足元にいるのに、手を伸ばしても届きません。
 
 でも私は、精一杯手を伸ばしました。
 
 どうして、どうして倒れているの?
 
 ドクオくん。私の大好きな、ドクオくん。
 
 
 雪が、降ってるよ? 風邪、引いちゃうよ?
 
 
 手が届かないから、私は呼びかけました。
 
 でも声も、届いていないようでした。
 
 私は諦めて、ドクオくんをじっと見つめていました。
 
 雪は、降り続けていました。
 
 
 
 ドクオくん、ドクオくん、ドクオくん………。
 
 
 
 頭の中で名前を繰り返しても、やっぱり顔を上げてくれません。
  
 そのうちに、大人の人たちがたくさん集まってきました。
 
 救急車もきて、ドクオくんが運ばれていきました。
 
 
 まって、ドクオくん。いかないで………
 
 
 私をおいて、いかないで………
 
 
 いかないで………
 
 
 私は雪の中に、一人でずっと、立っていました。
 
 寂しくなって、悲しくなって、だんだん視界がぼやけていって、
 
 すぅっと涙が、ほっぺたを流れていきました。
 
 涙も途中で凍ってしまいそうな、とても寒い日でした。
 
 その涙も雪と一緒で、とても、とても冷たい涙でした。
 
 
 
 
 ドクオ、くん─────………






**************************************************



     クリスマスに流れた、一粒の涙のお話


──── クリスマスの、

                     涙のようです ────



**************************************************






 冷たい風が頬を撫でた。
 撫でたと言うより、刺したって方が合ってるかもしれない。
 
 土曜の夕方。バイトの帰り道を歩く俺は、お気に入りのコートの襟を立てて、風に対抗する。
 
 地球温暖化なんてどこへやら、寒がりな俺にとっては厳しい季節がやってきた。
 
 
 そして、鬱になるイベントも目の前に───……
 
 
 ついに明日は、クリスマスイヴ。
 
 クリスチャンでもなく、彼女もいない俺にとって、クリスマスなんてあってないような行事。
 子供の頃は、そりゃぁ楽しみだった。
 サンタがプレゼントくれるんだもの。子供なら普通喜ぶよ。
 
 でももうそんな年じゃない。
 地元の大学に入って二年、実に平凡なキャンパスライフを送っている。
 
 ……平凡なキャンパスライフって、合コンとかすんのかな……
 
 それが平凡だとしたら、帰ってエロゲばっかりしてる俺は間違いなく底辺だ。
 
('A`)「そうだ……」

 閃き、思わず呟いてしまった。
 俺と同じく、鬱になってるであろう親友がいるはずだ。
 
 俺はすぐさま携帯を手に取ると、発信履歴からソイツの携帯へかけた。
 ……発信履歴もアイツの名前で埋まってたことが、少し寂しかった。
 
 
 
 …二…三…四…ご。
 
『ドクオおいすー 何か用かお?』

 五回目のコールと同時に、親友、内藤ホライゾンは電話に出た。
 あいつめ、やっぱり暇だったな。
 
('A`)】「おう なぁブーン、クリスマスのことなんだけど」

 親しい間柄なら、愛称の一つくらいあるだろう。
 ブーンは俺の事を名前のままで呼ぶが、それは気にしない。
 
『クリスマスかお? どうかしたのかお?』

('A`)】「いやー暇だろ? うちの親は恒例のクリスマス一週間旅行に行ってるし、
    ショボンとかジョルジュ呼んでうちでちょっと酒でも飲みながら騒がねーか?」
    
 我ながら、寂しい提案をしたと思う。
 だがしかし、彼女がいない学生がすることなんてそんなもんだろう。
 
 うん、きっとそうだ。絶対。多分。恐らく。
 
『あー……ごめんお……クリスマスは用事が……』

 なん……だと……?
 
 いや待て、落ち着くんだドクオ。
 そりゃまぁ、ね、年に一回の行事だしね。予定があるのも仕方ないよね。
 
('A`)】「用事って……なんだ……?」

 俺は恐る恐る質問をした。
 そんなこと、ブーンに限って絶対にありえないと。
 俺を裏切ることは、絶対にないと信じて。
 
『正直に話すお ツンとプツッ…ツーツーツー……

 空を、仰いだ。
 
 灰色の空が、少し目に沁みる。
 
('A`)「……こんな日は……左目が疼くぜ……」

 よくわからない事を呟いた後、俺はまた携帯を操作して今度はショボンにかけた。
 
 
 
 
 
 
『なんだい?』

 メールでもうってたのか、ショボンはすぐに出た。
 
('A`)】「ああ、ちょっと予定を聞きたいんだけど」

『長くなる? これキャッチなんだ 長くなるなら一旦かけ直すけど』

('A`)】「そうなのか、悪いな ……ちなみに、誰?」

『デレだよ クリスmプツッ……ツーツーツー……





('A`)】………



('A`)】………



('A`)】………



『はいこちらおっぱい』

('A`)】「おうジョルジュ、クリスマスって暇か?」

『無理無理。おっぱい触るからプツッ







 うぜええええええええぇぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!
 
 どいつもこいつもうぜええええええええええ!!
 
 なんで?なんで彼女いるの?死ぬの?俺死ぬの?
 
 なんなんだよチキショウ……
 
 携帯を地面に叩きつけたい衝動に駆られたのをぐっと堪え、その場に立ちつくした。
 
 
 よく見れば、周りにはカップルの姿がチラホラ。
 どいつもこいつも幸せそうに笑い合いながら歩いてる。
 
 ああ、だめだ。考える事が卑屈になってきた。
 
 大丈夫だ。俺にだって家に帰れば嫁がいる。画面から出てこないけど、いるんだ。
 
 
 風が一層、冷たくなった気がした。
 寒いのは体か、それとも心か、俺にはわからない。
 
('A`)「はぁ……」

 帰り道にある広い交差点の信号に捕まり、大きな白いため息を吐いた。
 どうやら今年のクリスマスも、寂しく過ごすことになりそうだ。
 
 横に流れていく車達を見つめながら、開き直ってゲームの事を考える。
 
 もうこんな日は最後にととっておいた幼馴染の子をクリアしてしまおう。
 
 いいよね、幼馴染。
 俺の大好きなポジション。
 
 大体俺が好きになるゲームキャラは外見を問わず幼馴染キャラが多い。
 朝起こしてくれるとか、ご飯作ってくれるとか、一緒に登校するとか……
 
 そんなシチュエーションが大好きだった。
 
('A`)「俺にも幼馴染がいたらなぁ……」

 切実な願いを、口に出す。
 
 今までに何度思ったことだろうか。
 
 
──────歩行者用信号が点滅を始めた。

 
 幼馴染かぁ……
 
 
 幼馴染………おさななじみ………
 
 
 
 
 
 
 ………
 
 
 
 
 
 ふと、横断歩道の向こう側を見た。
 
 
 



ズキ─────………


('A`)「お……?」


 頭に鈍い痛みが走った。
 
 なぜかこの交差点で、頭痛に見舞われる事がたまにある。
 右手で頭を抑え、少しふらついた。
 
 足に力を入れ、踏ん張る。
 今日の頭痛は少し、しつこい。
 
 ズキズキと痛みが波打ち、纏わり付くような感じ。
 
 痛みが近づき、遠のき、近づき、遠のき。
 
 
 
 何かを、連れてくるように。
 
 
 
 
 ………おさな、なじみ?
 
 
 
 浮かぶのは、その言葉。
 
 幼馴染。
 
 俺の好きな、幼馴染。
 
 
 
 
 顔を、上げた。
 
 
 
 すでに青に変わっていた信号。
 
 真っ直ぐに伸びる横断歩道。
 
 その上を楽しそうに歩くカップル達や、親子連れ。
 
 そして、その向こう側に立つ、女性。
 
 
 まず目についたのが、長い長い黒髪。
 そして、その髪と対照的な、白いロングコート。
 
 前髪に隠れて、目は見えていないのに。
 真っ直ぐに、俺を見つめている気がした。
 
('A`)「…………」

 見つめ返し、俺は動けずにいた。
 
 頭が、痛い。
 
 その女性を見ているだけで、ズキズキ、ズキズキと。
 
 
 やがて、女性がゆっくりと歩き出した。
 
 段々と早足になり、ついには駆け出す。
 
 
 一直線に、俺を目掛けて。
 
 
 
川д川「ドックウウゥゥゥゥゥン!!」

 ドック……ドックン?
 
 え、あ、俺の事?
 
 呆けていた、一瞬の間。
 
(;'A`)「うおおおおお!?」

 タックルされた。
 
 そのままの勢いで、女性は俺にぶちかましをかけてきたのだ。
 
 当然ひ弱な俺に支え切れるはずもなく……女性に押し倒される形で転んでしまった。
 
(;'A`)「痛い痛い!お尻が痛い!」

 尻を強くアスファルトの歩道に打ちつけ、激痛が走る。
 尻をさすりたくてさすりたくて、必死に手を伸ばし、
 体を左右に揺らしているのだが……動けない。
 
 尻の痛みが引いてきた頃に、俺はやっと気付いた。
 
 自分の上に、女性が座っていることに。
 
 女の子座り。あれ?これって騎乗位ってやつじゃね?
 エロゲのエロシーンでなんか見た事があるぞ……
 
川д川「ドックン……ドックゥン……ぅっ……」

 あ、そうだそうだ。
 俺はこの女の人にタックルされて……そのまま押し倒されて……
 
 ていうか、なんで泣いてるの?
 
(;'A`)「あ、あの……」

川д川「うぅぅぅぅ…………どっくぅん……」

 だめだ。めっちゃ泣いてる。
 ていうか何?この展開。これって三次元だよね?あれれ~?
 
 ここまできてようやく、俺は事態を察した。
 
 上に乗ってる女性が泣いている。
 
 注がれる周囲の視線。
 
 いかん。これはいかんですよ。
 下手したら警察に通報されるかもしれない。
 
(;'A`)「と、とにかくちょっと、どいてくれないかな? かな?」

 未だ泣き続ける彼女を必死でなだめる。
 
(;'A`)「ね? このままだと、警察に連れて行かれちゃうかもしれないからさ」

川д川「ううぅぅ……グスッ」

 ひとつ、鼻をすすった後に彼女はコクンと大きく頷いた後に、俺から降りた。
 ようやく軽くなった体を起こし、尻をパンパンとはたいた後に、
 
('A`)「……えっと……どうしたの?」

 コートの袖で涙を拭いている女性に問いかける。
 間近で見た彼女の顔は、鼻が赤くなっているのが少し残念だったが、
 整った鼻筋に、雪のように白い肌。そして美しい黒髪が映える。所謂美人だった。
 
 そんな女性に乗っかられたことを思い出したら、恥ずかしくなってしまった。
 
 しかし一体、この人は誰なんだろう。
 俺の知り合いに、こんな美人は居ない。
 でもこの人は、確か「ドックン」と言っていた気がする。
 
 
 ドックン。
 
 
 小さい頃に、そう呼ばれていた。
 小学生だった頃は、ブーン達にもそう呼ばれていたが、
 いつのまにか名前で呼ばれるようになっていた。
 
 だから、このあだ名を知ってる人は、結構古い知り合いしかいないはず……
 
 
川д川「…………ごめんなさい……」

 暗く、沈んだ声でいきなりの謝罪の言葉。
 うん。謝られるのはわかるけど、いざとなると物凄い罪悪感。
 
('A`)「うん、あの、怒ってないですから……」

川д川「…………グスッ」

 その頃になると、興味を殺いだのか立ち止っていた野次馬達がぞろぞろと動き始めた。
 
 その間も、黙って女性と見つめ合う、俺。
 
 
 
 まただ。
 
 ズキズキと、頭痛が波打つ。
 この女性を見ていると、なぜか頭痛が。
 
 なぜか、さざ波のように。
 
 何かを、連れてくるように。
 
 
 思い出せそうで、思い出せない。
 
 それが何なのかすらわからないが、何かを思い出せそうな気がして。
 
 
 この人を、見ていると────……
 
 
川д川「ドックン」


 ズキン
 
 
 
 
川ー川「久しぶり」


 
 
 泣きやんだ彼女の、次の新しい一面。
 
 
 何かを思い出すことも忘れ。
 
 
 優しい笑顔に、見惚れていた。
 
 

                           続く。
【 2008/12/21 】 貞子企画 | TB(0) | CM(2)
No title
sneg?ww
【 2008/12/21 】 編集
No title
ち、ちげーよ!
【 2008/12/21 】 編集
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