ブーン系小説を書いているようです

◆iAiA/QCRIMが2chニュー速VIPに投下したブーン系小説自作品まとめとか雑記とか
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貞子企画『クリスマスの、涙のようです』 その4

 参考リンク──貞子企画──
   
 クリスマスの、涙のようです

 第一話⇒『その子は、確かに』
 第二話⇒『静かに戻る記憶の中に』
 第三話⇒『笑顔で、そこに存在(い)た』




  第四話『最後のおまじないを』 



 女の子が、笑っていた。
 
 とても楽しそうに。
 
 とても、嬉しそうに。
 
 瞳は髪に隠れて見えないが、俺にはそう感じられた。
 
 大きく、跳ぶように。
 
 一歩、また一歩。
 
 ゆっくりと、俺に向かってきていた。
 
 俺が何かを言った。
 
 自分の事なのに、何を言ったのかわからなかった。
 
 女の子も、それに答えるように何かを言った。
 
 それもやはり、俺の耳には届かなかった。
 
 一歩、また一歩。
 
 ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと。
 
 視界の隅で、青い月が雲に隠れた。
 
 また俺が、何かを言った。
 
 女の子は、変わらない様子で。
 
 一心不乱に、足元を見ながら。
 
 青い月が雲から出てきた時、それは赤い月に変わっていた。
 
 あと、二回。
 
 それで女の子は俺の元へ。
 
 
 
 それなのに。
 
 
 
 それなのに。
 
 
 
 
 
 瞬きをした瞬間、視界は壁に覆われていた。
 
 
 
 
 
 ──────………………
 
 
 




「……ン……クン…………」

 耳の奥で、微かに声がした。
 
「……ドックン…………」

 その声は、俺を呼んでいた。
 
「ドックン…………起きて……」

 起き、て。
 
 その言葉で、脳が急速に覚醒した。
 
('A`)「…………」

 ぱっと、目を開ける。
 
 
 
 すると。
 
 
 
川ー川



 …………?
 
 
 
 美女が、俺を見下ろしていた。
 
 
 
 え?
 
 
 
(;'A`)「えっ!? うわっとぉぉ!!」

 尻と腰に、衝撃が走った。
 本日二回目の尻もち。一回目よりも痛くはなかったけど……
 
 貞子のどアップ。そして尻への衝撃が、俺の目を完全に覚まさせた。
 
川д川「だ、大丈夫?」

 慌てて俺の横にしゃがみ込み、あわあわと心配をする貞子。
 
('A`)「あ、あぁ、大丈夫、大丈夫だよ」

 言いながら上体を起こして、周囲を見渡した。
 
 左に貞子。右にソファー。
 
 どうやらソファーに横になったまま、少し眠ってしまったようだった。
 
川д川「ごめんね、びっくりさせちゃって……」
 
('A`)「い、いや、大丈夫だよほんと」

 本気で心配してくれている貞子が嬉しくて、ぎこちない笑顔で貞子を見た。
 
 
 
 
 
 
 ズキ──────
 
 
 
 
 
 不意に、鈍い痛みが走る。
 打ちつけた尻に、じゃない。
 
 
 あの、頭痛だ。
 
 
 ────ザ──ザザ────…………
 
 ノイズに混じり、一瞬浮かぶ女の子の姿。
 
 そうだ。
 
 夢を、見ていた。
 
 不思議な、不思議な夢を…………
 
 
 
川ー川「……ご飯、出来てるよ?」

('A`)「え?」

 貞子の言葉に、現実に戻される。
 
 そういえば、シャワーを浴びたはずの貞子の髪は、
 しっとりと濡れてはいるものの、すでに乾きつつあった。
 
 ということは……
 
('A`)「俺、結構寝てたのか?」

川д川「うーんと、二時間くらいかな?」

(;'A`)「まじかよ 起こしてくれればよかったのに」

川ー川「バイトで疲れてたみたいだし、寝かせとこうかなって」

('A`)「貞子…………」

川ー川「でもご飯できちゃったから、起こしちゃった」

('A`)「……ありがとう」

川д川「ううん 勝手に冷蔵庫の物使っちゃったけど、よかった……かな?」

('A`)「ああ、お袋が買い溜めしといてくれたやつだから、それは」

川ー川「そうなんだ ならよかった」

 立ち上がり、伸びを一つ。
 リビングの隣からいい香りが漂ってきた。
 
 両親と同居してる身としては、起きたら飯ができてるのは当たり前のことだったけど、
 それを貞子が、身内以外の女性がしてくれたと思うと、嬉しかった。
 
 漂う香りに、食欲をそそられる。
 腹の虫も、早く食いたいと告げている。
 
('A`)「よし、食うか」

川д川「自信ないけど……おいしくなかったらごめんね?」

('A`)「いやぁ、うまいだろ 匂いでわかる」

 うまくなくたって、全部食うけど。
 
 
 それはやはり、言わないでおいた。
 
 
 


 







('A`)「ハムッ!ハフハフ!ハムッ!」

リ;д川「お、落ち着いて食べてね?」

 一心不乱に具材を取り、貪る。頬張る。咀嚼する。
 
 シンプルイズベスト。さっぱり昆布出汁のつくね鍋。
 
川д川「ご飯は……時間なかったから冷凍してあったの解凍しただけ……」

('A`)「ハムッ……いいよいいよ! めっちゃうめぇよ!」

 俺の食いっぷりを見れば伝わってるかもしれないけど、素直な感想を述べた。
 うめぇの一言だけだったけど、貞子はそれで嬉しそうに笑ってくれていた。
 
川ー川「ドックン、結構食べるんだね」

('A`)「ん……三日ぶりのちゃんとした飯だしね」

川д川「あー ちゃんとご飯食べてるの?」

('A`)「一人だとどうしてもなぁ 腹膨れればいいやって感じに」

川д川「もー だめだよ ちゃんとご飯食べないと」

('A`)「モグモグ……サーセン」

川ー川「ふふっ」

(*'A`)


 体が、頬が火照るのは、はたして鍋だけのせいだろうか。
 
 
 空気が温かいのは、はたして。
 
 
 
 多分、鍋だけのせいじゃないんだろう。
 
 
 
 
 なんかいいな、こういうの。
 
 
 
 
 そう思ってから、慌てずにゆっくりと食べる事にした。
 
 
 
 


 






(;'A`)「ぷふー……」

 食い終わってソファーに豪快に座りこみ、大きく息を吐く。
 ここ数年で一番食ったんじゃないかってくらい、食った。
 流石に苦しくて、しばらく動けそうにない。
 
 貞子はというと、せっせと食器を片づけて洗い物をしている。
 手伝うと言ったのだが、丁重に断られてしまった。
 
('A`)「…………」

 貞子はなぜ、俺にここまでのことを、
 こんなにも、俺を想ってくれているのか。
 
 
 『ドックンのことが好きだから』
 
 
 貞子のあの言葉が思い出される。
 あの時は本当にびっくりして、あんなことになってしまったが……
 
 よく考えると、何もかもがやはり、唐突すぎる。
 童貞が何小難しい事考えてるんだなんて言われそうだけど……
 
 貞子の真剣な想いが、感情が、気持ちが。
 
 伝わってくるそれらの中に、あるのだ。
 
 好きと言うこと以外の感情が。
 
 
 
 
 
 焦燥感。
 
 
 
 
 
 言うならばそう、焦りだ。
 突然俺の前に現れた貞子は、何か焦っているように感じるのだ。
 
 小さな違和感が、ゆっくりと近寄る波のように。
 
 さざ波のように…………
 
 
 あの、頭痛のように……
 
 
 
 
 
 ………………
 
 
 
 …………ともかく。
 
 
 
 貞子からそれを感じるのもあるけど、それだけじゃない。
 俺にもある。焦りみたいな、申し訳なさみたいな、そんなものが。
 
 やはり根底にあるのは、貞子のことをちゃんと思い出せていないことだ。
 
 それはとてもふわふわとしていて、気持ちが定まらない。
 
 飯を食ってる時は本当に嬉しくて、素直になれたけど。
 今また落ち着いていると、こんなことを考えてしまう。
 
 
 
('A`)「…………はぁ」


 溜息を、一つ。
 
 一人で考えたって、答えは出ない。
 
 でも近いうちに、答えを知ることができる予感がする。
 
 
 感じるんだ。それがゆっくりと、確実に近寄ってきていることを。
 
 
 一歩、また一歩。
 
 
 ゆっくり、ゆっくりと。
 
 
 あの頭痛の波と同じ様に。
 
 
 夢で見た少女のように。
 
 
 
 
 
 
 
 
 くる───────
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ──────きっと、くる。
 
 
 
 
 



 そんな、予感が……










('A`)「っと」

 ふと我に返り、自分が映るテレビが目に入った。
 ぼんやりとだが、自分の顔を見て少し鬱になってしまった。
 
 それを消す為に、テレビを点けようと、リモコンに手を。
 
 
「待って」


 不意に、止められた。
 
 振り返ったそこには。
 
 
川д川


 洗い物を終えた貞子がいた。
 
('A`)「どうした?」

川д川「ごめんね、ちょっと待ってね」

 そう言うと、貞子は口を閉じて何かを考えるように押し黙った。
 沈黙の中、また何かが思い出されそうな、波が。
 
 昔、今と同じ様に何かを考え込む時があった気がする。
 
川д川「うん、いいよ 点けて?」

('A`)「ん……」

 言われるままに、テレビを点けた。
 
 映った画面には、何かのドラマだろうか、綺麗な女優の顔が最初に。
 
川ー川「やった」

('A`)「ん? どうしたんだ?」

川д川「ただのおまじない?」

('A`)「おまじない?」

川ー川「うん 最初に映った人が、男か女、どっちか 当たったら、今日はいいことある」

 
 
 …………あ。
 
 
 
 そうだ。貞子はこういう、突発的なおまじないをよくしていた。
 
 俺が右足から歩きだしたら、だとか。
 幼稚園で弁当にハンバーグが入っていたら、だとか。
 横断歩道の白だけを踏めたら、だとか。
 
 おまじないの後に続くのは、できたら、当たったら。
 
 今日はいいことがある。だった。
 
('A`)「好きだな、それ」

川д川「えっ?」

('A`)「おまじない」

川д川「覚え……てたの……?」

('A`)「ん、思いだした」

川ー川「そっか…………えへへ」

(;'A`)「な、なんだよ」

川ー川「ううん 嬉しくって いきなりいいことあったし」

('A`)「へ? そうなのか?」

川ー川「うんっ」

('A`)「なんだよ、教えてくれよ」

川ー川「ひーみつ」

(*'A`)「……まぁ、別にいいけど……」

 やり取りが、恥ずかしくて。
 
 貞子が可愛くて。
 
 俺はそこで会話を止めた。
 
 貞子はと言うと、ニコニコと微笑みながら俺を見つめている。
 
 あの…………そんな見ないでください……恥ずかしいです……
 
 テレビを点けていて助かった。
 貞子から視線を逸らす口実になるからだ。
 
 俺は照れ隠しにテレビにまた目をうつぶっ
 
(;'A`)「…………」

 瞬間、固まってしまった。
 なんでかって?
 
 そりゃ、あれだよ。
 
 家族とテレビ見てる時、濡れ場が始まったら……微妙な空気になるだろ?
 
 それと一緒で……テレビでは、美男美女が今まさにちゅーしてるところが、鮮明に。
 
川 д川「?」

 俺が固まったのを疑問に思ったのか、視界の隅で貞子が顔をテレビに向けるのがわかった。
 
 
 
川д川



('A`)



川-川



('A`)



川*-川



(;'A`)



 貞子の顔はわからないが、黙ってテレビをじっと見ている事だけはわかった。
 
 やべぇ! なんだ! なんだこの空気!
 気まずい! 気まずいにも程がある! ああ! ああああ!
 
 
 嫌な汗が、じわりと背中に浮き出るのがわかる。
 
 
 
 汗……? そうだ!
 
 
 
 
(;'A`)「あ、俺風呂入るわ!」

 言ってすぐに立ち上がり、早々に風呂場へと一目散に向かう。

川д川「えっ あ、う、うん」

 貞子の驚いたような返事がその途中で聴こえ、少し心が痛んだ。
 
 だけど、それで戻る度胸もなく。
 
 寝汗と、鍋のおかげでかいた汗で匂いも気になっていたから、
 そのまま真っ直ぐに風呂場へ向かった。
 
 俺がそんなことを気にするなんて、初めてのことだったかもしれない。
 
 
 女の子と喫茶店に行くことも。
 
 女の子に起こしてもらうことも。
 
 女の子の手料理を食べたことも。
 
 
 
 女の子から、好きと言われたことも。
 
 
 
 何もかもが、初めてのことだ。
 
 幼馴染とは言え、この上さらに泊まるだなんて。
 
 
 
 そう。
 
 
 
 そうだよ。泊まるんだよ貞子は。うちに。
 
 俺しかいない、この家に。
 
 そんな、そんな展開、やっぱり男なら色々と期待をしてしまうだろう。
 
 するだろう?! なぁ!? するといってくれよ!?
 
 
 
 
 だめだ…………風呂に入って、落ち着こう。
 
 
 
 
 脱衣所で無造作に服を脱ぎ捨て、少し震えながら風呂場の戸を開けて。
 
 
 
 空っぽの湯船を見て、少し凹んだ。
 
 
 
 
                                 続く。
【 2008/12/24 】 貞子企画 | TB(0) | CM(2)
のwwwこwwwりwwwゆwwwwwwwww
【 2008/12/24 】 編集
へんな妄想しないでください><;
【 2008/12/24 】 編集
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