ブーン系小説を書いているようです

◆iAiA/QCRIMが2chニュー速VIPに投下したブーン系小説自作品まとめとか雑記とか
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貞子企画『クリスマスの、涙のようです』 その6

 参考リンク──貞子企画──
   
 クリスマスの、涙のようです

 第一話⇒『その子は、確かに』
 第二話⇒『静かに戻る記憶の中に』
 第三話⇒『笑顔で、そこに存在(い)た』
 第四話⇒『最後のおまじないを』
 第五話⇒『叶わなかった、おまじないを』





 最終話『今度は、貴方の為に』
 あと少しで、クリスマスイヴ。
 
 外に出てから、貞子は一言も話さなかった。
 
 握る手も、冷たい。
 
 どこを目指してるなんてことも話していないのに、
 夢の中の、会話だったのに。
 
 俺達は、真っ直ぐにそこへ向かっていた。
 
 俺の家から、一緒に歩く。
 
 小さい頃、一緒に遊んでいたあの時と同じように。
 待ち合わせはいつも俺の家だった。
 
 その方が都合がよかったからだ。
 
 この公園に、近いから。
 
 
('A`)「……懐かしいな」

 
 小さな声で発した言葉さえもが、白い霞となって虚空に消えていく。
 雪が降りそうなくらい、寒かった。
 
 鎖が錆びたブランコ。動かせば木が軋む音のするシーソー。
 所々ペンキの剥がれたジャングルジム。
 
 小さい頃は意識していなかったが、ひどい有様だった。
 
 …………いや、違う。
 
 貞子がいなくなったあの日から。
 
 俺の記憶が途切れたあの日から。
 
 ここに来る事は、ただの一度もなかった。
 
 風化した記憶と一緒で、この公園も、同じ様に風化していったのだ。
 思い出す公園の風景は、ここまで遊具が古ぼけてはいない。
 十四年という年月が、ここまで長い物だったのか。
 
 そしてそんな長い間、俺は貞子の事を忘れていたのか。
 貞子はずっと、一人で俺を想っていたのか。
 
 
 公園の風景と、そのことが相まって、どうしようもなく胸が苦しくなる。
 そんな俺を察したかのように、貞子が握る手に力を入れた。
 
 冷たい、ままに。
 
川д川「……懐かしい、ね」

 俺と同じ台詞。だけども、どこかが。
 
川д川「懐かしい、よね…………普通なら、そう」

('A`)「貞子……」

川д川「私には、つい昨日の事みたいに感じる」

 俺は何も、言えなかった。
 
川-川「目を閉じれば、ドックンと走り回ってた、あの時のことが……」

 髪に隠れて、その瞳はわからない。
 
川-川「はっきりと、思いだせる」

('A`)「…………」

 何も言う事が、できなかった。
 
 
 俺は、貞子が好きだ。それは確実に言えること。
 でもそれは……再会してからの貞子が、なんだ。
 
 幼馴染だったと言う事も忘れていたと言うのに、貞子は構わずに、昔のまま接してくれた。
 そんな彼女が愛しくて、たった一日一緒にいただけで、好きになった。
 
 貞子は違う。ずっとずっと、俺の事を思ってくれていた。
 そんな彼女に対して、俺の想いはなんてちっぽけな物なのだろう。
 
 胸を張って、好きだと言える事ができない。
 
 俺は…………なんて…………っ!
 
 
 ふと、するりと俺の手から彼女の手が抜けた。
 
 小走りに向かう先には、ブランコ。
 
川ー川「ね、ドックン またやろうよ」

 貞子がブランコに座ると、キィと鉄を軋ませる音がした。
 あの時の様に、本当に楽しそうに俺を待ってくれている。
 
('A`)「……あぁ」

 返事をした後に、すぐにブランコへ駆ける。
 隣に座り、顔を見合わせた後にそっと、地面を蹴った。
 
 強く漕いだわけじゃないのに、ブランコは派手な鳴き声を上げた。
 それにもやはり、年月を感じる。
 横に居る貞子も、同じ様にブランコを漕いでいた。
 
 顔にかかる風が、冷たい。
 真冬だし、それは当然だ。寒いのが嫌いと言っていた貞子は、大丈夫だろうか。
 
 漕ぐ足を止めて、貞子に話しかける。
 
('A`)「貞子」

川д川「うん?」

('A`)「寒くないか?」

川ー川「……大丈夫」

('A`)「……そっか」

川ー川「ありがとね」

 そこまで言って、貞子もブランコを漕ぐのをやめた。
 
 
川д川「今は……」


 並んで、左手を横に伸ばした。
 
 俺の方に、向けてだ。
 
 
('A`)「うん?」


 言葉の続きを促す様に聞いた後に、その手を掴んだ。

 握る手に力を入れる。
 
 貞子も強く、握り返す。


川ー川「とっても、あったかいよ」


 本当なのか。本当に、そうなのか。
 
 
 
 疑ってしまう程に。
 
 
 
 貞子の手は……冷たかった……
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 暗い空に、星とは違う、白い物。
 
 ひらひら、ひらひらと。
 
 落ちては消え、落ちては消え。
 
 儚く、寂しく、ひらひらと。
 
 
 雪だ。
 
 
川д川「雪だね」

('A`)「雪だな」

 隣を歩く貞子の言葉を、繰り返す。
 
 時刻はもう、0時を回っているのだろうか。
 
 携帯を見る気にもならずに、ただただ歩く。
 
 一日早くたって、もうどうでもいい。
 
 時間なんてもう、どうでもよかった。
 
 
('A`)「貞子」


川д川「うん?」


('A`)「メリークリスマス」
 
 クリスマスイヴの、メリークリスマス。
 
 顔を向けて、できるだけ笑顔で、言った。
 
 貞子も、ふっと笑いながら。
 
 
川ー川「メリークリスマス」


 握る手に力を込める。
 
 今この瞬間を、逃がさないように。
 
 貞子が、離れていかないように、と。
 
 
川д川「……私がいなくなる前にね」


 当てもなくぽつりぽつりと歩きながら。
 
 貞子も、ぽつりぽつりと、語り始めた。
 
川д川「おまじない、してたんだ」

('A`)「…………」

川д川「私は、それに必死で、必死で……」



 ズキ
 
 
 
 
 ズキ
 
 
 
 
 頭痛が、邪魔だ。
 
 
 
 
川д川「……ドックン」
 
 
 
 
 
 ズキン
 
 
 
 
 
 
川д川「ここで、したの」
 
 
 あの時とは真逆の静寂。
 
 本当に同じ場所なのだろうかと疑ってしまいそうな程に。
 
 少し大きな、交差点。
 
 雪を通して見る信号は、おぼろげに光り。
 
 雲に隠れた、月のようだった。
 
 
 時々通る車に、現実に引き戻される。
 
 ここはそう。貞子と再会した、交差点だった。
 
('A`)「…………」

 いや、それだけじゃない。
 
 それだけの場所じゃ、ない。
 
 でもそれが、わからない。
 
 一番、一番大事なことのような気がするのに、思いだせない。
 
川ー川「いこ?」

 歩行者用の信号が青に変わり、俺と貞子は歩き始めた。
 
 横断歩道の上を、一歩、一歩。
 
 
 
 一歩…………一歩…………
 
 
 
 白の部分だけを……踏むように……
 
 
 
 
 
『最後の、おまじない』
 
 
 
 
 
 
 手の感触は、あったのに。
 
 冷たくても、貞子を感じていたのに。
 
 横断歩道を渡りきってから、振り向いた。
 
 
(;'A`)「貞子ッ!!」
 
 
 貞子は、立っていた。
 
 横断歩道の、向こう側に。
 
 そしてじっと、俺を見ていた。
 
 
川д川「ドックン」
 
 
 しっかりと、俺の名前を呼ぶ。
 
 
川ー川「見ててね?」
 
 
 大きく、貞子が一歩踏み出した。
 
 踏み出した先には、白い塗装がされたアスファルト。
 
 横断歩道の、白い部分。
 
 おまじないだ。
 
川д川「しょっと」

 また一歩。大きく、大きく。
 
 踏み外さないように、しっかりと。
 
 白い部分だけを、見て。
 
 
 
 
 
 貞子。
 
 
 
 
 
 やめろよ。
 
 
 
 
 
 これじゃぁ。
 
 
 
 
 
 あの時と。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 同じじゃないか。
 
 
 
 
 
 
 
(;'A`)「貞子!! 早く来い!!」
 
 
 
 夢で見た青い月が、点滅をし始めた。
 
 声を張り上げても、貞子は足元しかみていない。
 
 
川ー川「大丈夫だよー」
 
 
 足元だけを見ながら、答える。
 
 
 
 
 
 もう、そうだ。

 
 完全に、そうだ。
 
 
 あの時と、同じだった。
 
 
 ここはそう。
 
 
 貞子と再会した場所であり。
 
 
 
 
 
 
 貞子と、別れた場所なんだ────
 
 
 
 
 
(;'A`)「ぐっ……!」

 激しい頭痛が俺を襲う。
 
 膝をつき、地に手をつき、それでも俺は。
 
 貞子をじっと、見ていた。
 
 十四年前。自ら、本能が拒否し、消し去った記憶が。
 
 一番、思いだしたくない部分が。
 
 頭痛と一緒に、今の貞子に重なる様に。
 
 はっきりと…………映し出された。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 小さな女の子。
 
 日本人形のような艶やかな揃った黒髪を靡かせて。
 
 ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと。
 
 横断歩道の白い部分だけを見ながら。
 
 
『さだこー! あぶないって!』
 
 
 幼い頃の俺が、叫ぶ。
 
 もう、間違いない。
 
 この女の子は、貞子だ。
 
 
『大丈夫だよー』
 
 
 さっきの、大人の貞子と、同じ言葉を。
 
 言いながら、ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと。
 
 ゆっくりと、踏み外さないように。
 
 白だけを、追って。
 
 おまじないだけを、信じて。
 
 信号が変わる。
 
 
『さだこー! しんごうがー!』
 
 
 必死に、必死に、呼びかける。
 
 でも貞子には、届かなかった。
 
 仕方なく、俺は待ってたんだ。
 
 ゆっくりとだが、確実に近づいてくる貞子を。
 
 ずっとずっと、ここで。
 
 この横断歩道の先で、まってたんだ。
 
 
 何かが、地面に激しく擦れる音がした。
 
 
 甲高いその音は、耳を突き抜け、思わず目も閉じてしまいそうになる。
 
 
 そして視界は、壁に閉ざされた。
 
 
 それも一瞬のこと。
 
 
 でも、決して、瞬きなんかじゃない。
 
 
 
 
 俺の目の前を、横切ったのだ。
 
 
 
 
 貞子の真上を、通過したのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 大きな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 トラックが。
 
 
 
 
 
 
 
 何が何だか、わからなかった。
 
 急に貞子が消えたのだから。
 
 キョロキョロと周囲を見渡し、貞子を探す。
 
 
 トラックが少し先で、止まっていた。
 
 
 その近くに行き、またキョロキョロと。
 
 
 一瞬視界に、何かが映った。
 


 
 
 
 赤─────…………
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 俺の記憶は、そこまでだった。
 
 そしてその記憶は、ずっと忘れていたものだった。
 
 忘れて……俺は自分で、消し去ったのだ。
 
 
 この記憶を。
 
 
 貞子が死んだという、現実をだ。
 
 
 今、俺の目の前にいる大人の貞子。
 
 
 すでに信号は赤だ。
 
 
 ゆっくり、ゆっくりと、白の部分だけを踏んで、歩いている。
 
 
 
(;'A`)「さだ…………こ……」
 
 
 ポツリ、名を呟いた。
 
 届いていたのか、貞子が顔を上げて。
 
 
 
川ー川
 
 
 
 笑った。
 
 
 
 そして車が。
 
 
 
 貞子を通過して行った。
 
 
 
 車は、止まらなかった。
 
 
 
 もう誰にも。
 
 
 
 俺以外の誰にも。
 
 
 
 彼女が見えていないからだ。
 
 
 
 車が通った後に居たのは。
 
 
 
 あの頃の幼い……貞子だった。
 
 
 
川д川『ドックン』
 
 
 
(;A;)「う……うぅ……! 貞子……っ!」

 
 
 地に膝をつけ、幼い貞子を見つめながら、俺は泣いていた。
 
 思い出のあの子は。
 
 初めて、好きになったあの子は。
 
 もうこの世に、いなかったんだ。
 
 ぴょん、と。
 
 最後の白の手前まで。
 
川ー川『ドックン 泣かないで』

(;A;)「貞子……俺……ずっと忘れて……」

川ー川『いいの もういいの 辛い事思い出させて、ごめんなさい』

(;A;)「貞子…………」

川ー川『ずっと……ずっと一人だった』

川ー川『冷たい冷たい、雪の中で ドックンをずっと、呼んでた』

川ー川『ずっと探してた』

川ー川『見つけたけど……声は届かなくて……』

川ー川『だからここで、ずっとみてた』

川ー川『ドックンが学校へ行く時 バイトに行く時、帰る時』

川ー川『それだけが、私の喜びだった』


 こんなにも。
 
 
 こんなにも…………俺の事を…………!
 
 
 俺なんか…………忘れて、逃げていたというのに……!
 
 
川ー川「クリスマスの度に……サンタさんにお願いしてた」

川ー川『一度で……一度でいいから、ドックンにまた会いたい、触れたいって』

川ー川『十三回目のお願いで、サンタさんは奇跡をくれた』

川-川『少しだけ……少しの間だけ……ドックンに会わせてくれるって……』

(;A;)「貞子……そんなに……俺を……」

 俺の顔を見て、少し困ったように笑う。
 
 嬉しくて、悲しくて。
 
 涙が、止まらない。
 
 
 
川ー川『それで……ね』


川ー川『あの時……最後にかけたおまじない』


川ー川『横断歩道の白だけを踏んで渡れたら、ドックンとずっと一緒にいられる』


川ー川『それはね、叶わなかったけど……』


川ー川『今からの、私の一歩は、違うおまじない』


川-川『もう……次はちゃんと、踏めるから……』


川;-川『最後の一歩……踏み出せるから……っ』


 初めて覗いた瞳には。
 
 たくさんの涙が溜まっていた。
 
 
川;ー川「だから……もう、踏んじゃうね」


(;A;)「待ってくれ……貞子……!」
 
 
 
 
 
 ふっと、貞子は顔をまた髪に隠し。
 
 
 
 
 
 少しの間を置いて。
 
 
 
 
 
 また顔を上げて。
 
 
 
 
 
 
 
 
川゚ー川
 
 
 
 
 
 
 
 笑ったんだ────
 
 
 
 
 
 
 
川゚ー川『ドックンが』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
川゚ー川『幸せに、なりますように』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 最期の、おまじないを。
 
 
 
 
 
 
 
 最期の、一歩を。
 
 
 
 
 
 
 
 俺の為に、紡いで。
 
 
 
 
 
 
 俺の為に、踏み出した────
 
 
 
 
 
 
 
 
(;A;)「さだこおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおお!!!」
 
 
 貞子が着地した瞬間に、俺は貞子を抱き締めた。
 
 強く、強く、折れそうな程に。
 
川ー川『いたい……いたいよ……どっくん……』

 でも俺は、力を緩めなかった。
 
 緩める事が、できなかった。
 
(;A;)「ごめん…………ごめん…………!」
 
 
川ー川『……うぅん……いいよ……』
 
 
 
川ー川『あったかいし……』
 
 
 
川ー川『もう一人じゃないし……』
 
 
 
川ー川『あの時……ドックンにとどかなくて……』
 
 
 
川ー川『悔しくて、悲しくて、流れた涙は、冷たくて』
 
 
 
川ー川『今のドックンの涙は……とてもあったかいから……』
 
 
 
 
 
川゚ー川『ありがとう』
 
 
 
 
 
川゚ー川『ドックンの事』
 
 
 
 
 
川゚ー川『大好きだよ』
 
 
 
 
 
 
 
川゚ー川『メリークリスマス ドックン、幸せになってね』
 
 
 
 
 
 
 
 ふっと。
 
 
 
 
 抱き締めていた感触が、消えた。
 
 
 
 
 腕の中には、何も、誰も、いなかった。
 
 
 
 
 泣いた。
 
 
 
 
 叫んだ。
 
 
 
 
 雪が降る、クリスマスイヴに。
 
 
 
 
 聖夜の、奇跡の終わりに。
 
 
 
 
 言えなかった。
 
 
 
 
 伝えられなかった。
 
 
 
 
 せめて、それだけ。
 
 
 
 
 貞子に、一言。
 
 
 
 
 好きだよと、言いたかった────…………
 
 
 
 
 
 
 
 
 …………───────
 
 
 
 ドックン。
 
 
 ドックンの言葉も、気持ちも、
 
 
 ちゃんと伝わったから、心配しないで。
 
 
 私はもう、十分に幸せだから、いいの
 
 
 ごめんね……私だけ、ずるいよね。
 
 
 ドックンが流した、あったかい涙を。
 
 
 ドックンがくれた、あったかい温もりを。
 
 
 最期に感じられて。
 
 
 
 私は
 
 
 
 
 幸せです──────
 
 
 
 
 
 
 
 ………………。
 
 
 …………。
 
 
 ……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
('A`)「…………」
 
 クリスマス。
 
 人ごみの中、交差点に立ち尽くすドクオ。
 
 視線の先には、横断歩道。
 
 見つめているのは、最も近い、白の橋。
 
 かつて少女が、自分の為に踏めなかった橋。
 
 そして少女が、ドクオの為に踏んだ橋。
 
('A`)「貞子……」

 愛しい人の名を、呟く。
 
 しかし返事は、あるわけがない。
 
 ドクオの手には、大きな花束があった。
 
 
 しゃがみこみ、ガードレールの隅に、ひっそりと。
 
 
 花束を、添えた。
 
 
('A`)「好きだ」


('A`)「ちゃんと言えなくて、ごめん」


('A`)「こんなことしかできなくて、ごめん」


 自責に、後悔に、謝罪の言葉は、想いは、止むことはない。
 
 
 せめて。
 
 
 せめてあの時、伝えたかった、と。
 
 
 どうしようもならないとわかっていても、せめて。
 
 
('A`)「せめて……っ……」




 その時。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ポタッ────……
 
 
 
 
 
 
 
 
 ドクオの頬に、一滴の雨が落ちた。
 
 
 空を見上げる。
 
 
 真冬の空には珍しい、青天だった。
 
 
 だが確かに、ドクオは頬に、それを感じた。
 
 
('A`)(…………)
 
 
 彼には、わかったのだ。
 
 
 それがなんなのかが。
 
 
 立ち上がり、ふっ、と、静かに笑った後に。
 
 
 ドクオは顔を上げ、正面を向き。
 
 
 頬にかかった、水滴を。
 
 
 暖かい、一滴の涙を。
 
 
 
 拭うことなく、歩きだした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
**************************************************



        ドックン。  ありがとう。
さだこ


──── クリスマスの、

                     涙のようです ────



            終わり。

**************************************************
【 2008/12/25 】 貞子企画 | TB(0) | CM(2)
No title
乙乙
【 2008/12/26 】 編集
乙 涙腺やられた
【 2008/12/27 】 編集
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